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書類の書き方

志望理由書の書き方|評価される構成と、よくある失敗

志望理由書は、総合型選抜の選考の中心になる書類です。そして、書き方の情報が世の中に溢れているのに、なぜか多くの受験生が同じ失敗をします。この記事では、評価される志望理由書の基本構成と、テンプレートに頼った書類が面接のどこで崩れるのかという、指導の現場から見えている落とし穴を解説します。

この記事の要点
  • 大学が見ているのは、過去・現在・未来と大学が一本の線でつながっているか
  • 灯志舎では、過去・現在・接続・未来の4局面・計8つの点で設計する「8点構造」で指導している
  • テンプレートで書いた書類は、面接の二問目・三問目の深掘りで崩れる。自己分析の深さが完成度を決める

志望理由書で大学が見ているのは、たった一つのこと

細かい評価項目は大学ごとに違いますが、突き詰めると、志望理由書で見られているのは一つです。この受験生の過去・現在・未来と、うちの大学は、一本の線でつながっているか。

これまで何を経験し、そこから何を考え、だから何を学びたくて、それがなぜこの大学でなければならず、学んだ先に何をしたいのか。この線が通っている書類は、多少文章が拙くても評価されます。逆に、どれだけ美しい文章でも、線が切れている書類は残りません。書き方のテクニックはすべて、この一本の線を通すための手段です。

灯志舎の設計法「8点構造」

線を通すための構成は、行き当たりばったりでは作れません。灯志舎では、志望理由書をあなた自身の時間軸——過去・現在・接続・未来——の4つの局面で、一本の線として設計します。この流れが通っているかどうかが、評価の分かれ目です。

灯志舎メソッド
志望理由書の8点構造
4つの局面に、それぞれ2つの要素。計8つの点で組み立てます。
第1局面過去 ── 自分の原点
● ●
2つの要素
第2局面現在 ── 問題意識
● ●
2つの要素
第3局面接続 ── この大学
● ●
2つの要素
第4局面未来 ── 将来像
● ●
2つの要素
〈過去 → 現在 → 接続 → 未来〉を、一本の線で。
この8点が揃い、線が通ったとき、志望理由書は「評価される書類」になります。

4つの局面それぞれに、具体的に何を、どの順で書くか。この8つの点の中身と組み立て方が、評価される志望理由書とそうでないものを分ける核心です。ここは一人ひとりの経験によって変わるため、型を渡して終わりにはできません。

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よくある失敗。書類の段階で落ちるパターン

添削をしていて繰り返し出会う失敗を、そのまま挙げます。

失敗パターン何が起きているか
失敗1きっかけが弱いと思い、話を盛る 実体験でないエピソードは、細部を書けません。細部のない文章は読み手に必ず伝わりますし、面接で掘られたら終わりです。小さくても本当の経験の方が強いです。
失敗2大学のパンフレットの言葉で書く 貴学の国際的な教育環境に魅力を感じ、のような文は、大学名を入れ替えても成立します。入れ替え可能な文章は、志望理由になっていません。
失敗3夢を大きく書きすぎる 世界から貧困をなくしたい、自体は立派ですが、そこに至る現在地との接続がないと、絵空事に見えます。大きな夢ほど、足元の行動とセットで書く必要があります。
失敗4要素3が大学の事実の羅列になる ◯◯教授がいて、◯◯プログラムがあって、と調べた事実を並べるだけでは足りません。その事実が自分の問題意識とどうつながるのか、の一文があって初めて意味を持ちます。

テンプレートで書いた書類は、面接のどこで崩れるか

いま、書き方の型や生成AIを使えば、それらしい志望理由書は誰でも作れます。書類の見た目だけなら、通用してしまうこともあるかもしれません。問題はその先です。総合型選抜には、ほぼ必ず面接があります。

面接官が最初にすることは、書類に書かれたことを一段深く掘ることです。その経験のとき、具体的に何をしたの?なぜそのとき、そう考えたの?他の選択肢もあった中で、なぜそれを選んだの?自分の経験と思考から書いた書類なら、これらは掘られるほど話が具体的になっていきます。借り物の言葉で書いた書類は、この二問目、三問目で急に答えが抽象的になる。書類と本人の言葉の解像度が合っていない状態は、面接官の側からは驚くほどはっきり見えます。

指導現場の視点
添削で書類だけを整えても、面接で崩れる生徒は崩れます。逆に、時間をかけて自分の経験と考えを掘り下げた生徒は、想定外の質問が来ても自分の言葉で戻ってこられる。つまり志望理由書の完成度は、文章力ではなく、書く前の自己分析の深さでほぼ決まります。だから灯志舎の指導では、書き始める前の、経験の棚卸しと問いの深掘りにいちばん時間をかけます。書類はその結果が紙に落ちたものにすぎません。

書き出しに悩んだら。最初の一文の考え方

書き出しで長く止まる受験生が多いので、実務的なコツを一つ。最初から冒頭を書こうとしないでください。いちばん書きやすいのは、具体的な経験がある要素1か、調べたことが手元にある要素3です。書ける場所から書いて、全体が埋まってから冒頭を整える。この順番の方が、結果的に良い書き出しになります。

そして冒頭の一文は、私は◯◯学部を志望します、という宣言から始めて構いません。奇をてらった書き出しで印象を残そうとするより、その後の中身で線が通っていることの方が、はるかに評価されます。

指導現場の視点
そもそも書く材料がない、きっかけと呼べる経験が思い当たらない、という人もいると思います。その場合に必要なのは書き方の情報ではなく、自分の これまで を棚卸しする作業の方です。その手順は、将来やりたいことがない高校生のための進路の考え方の記事で詳しく書いたので、先にそちらから読んでみてください。材料が集まれば、書くことは思っているより難しくありません。
代表講師 川崎聡介
灯志舎 代表講師
川崎聡介

将来のありたい姿から逆算する独自メソッド「ライフ・ナビゲーション」を軸に、志望理由書から面接まで一貫して伴走しています。

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