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総合型選抜の基礎

総合型選抜は一般入試と両立できる?専願・併願の違いを解説

総合型選抜に挑戦したいけれど、もし落ちたら一般入試が犠牲にならないか。この不安は受験生本人にも保護者の方にも共通しています。答えを先に言うと、両立できるかどうかは大学・学部ごとの出願条件次第です。この記事では、専願・併願の違い、募集要項での見分け方、両立を目指す場合のスケジュールの組み方を整理します。

この記事の要点
  • 一般入試と両立できるかは、大学・学部ごとの出願条件次第。制度全体の性質ではない
  • 見分けるポイントは募集要項の出願資格欄。入学を確約できる者、の文言があれば実質専願
  • 両立するなら、9月までに出願書類を完成させ、選考期間中も一般入試の学習を止めないことが鍵

専願と併願の違い。何を約束する出願なのか

まず言葉の整理からです。専願は、合格したら必ずその大学に入学することを条件とする出願方式です。入学の確約が求められるため、合格後に他大学へ進むための辞退は原則として認められません。併願は、複数の大学・入試方式に出願でき、合格しても進学先を選べる方式です。

専願併願可
合格後の入学原則、入学が前提(辞退は不可か、大きな制約あり)他の合否結果を見てから進学先を選べる
他大学への出願制限される場合が多い(特に他の専願入試との重複は不可)認められる
倍率の傾向志望度の高い受験生に絞られる受験しやすいぶん、倍率が高くなりやすい

注意したいのは、専願という言葉の運用が大学によって微妙に違うことです。専願と明記されていても一般選抜との併願は認められているケースもあれば、併願不可とは書かずに、入学を確約できる者という出願資格の文言で実質的な専願を示す大学もあります。言葉のイメージで判断せず、募集要項の原文を確認することがすべての出発点になります。

両立できるかは、募集要項のこの順番で確認する

志望校の総合型選抜が一般入試と両立できるかどうかは、次の手順で確認できます。

1
出願資格の欄を読む
合格した場合に入学を確約できる者、本学を第一志望とする者、といった文言があるかを確認します。この文言があれば、実質的に専願と考える必要があります。
2
併願に関する記載を探す
他大学との併願を認める、という明記があれば併願可。専願である、併願不可、という記載があれば専願です。どちらの記載もない場合は、大学の入試課に直接確認するのが確実です。
3
高校の先生に相談する
出願には調査書が必要で、調査書は高校が発行します。専願の入試を複数校同時に出願することは、両方合格した場合にどちらかを辞退せざるを得なくなるため、原則として認められず、高校側が発行を断るのが通常です。出願計画は必ず進路指導の先生と共有してください。
同じ大学でも、学部・学科・入試方式によって専願か併願可かが分かれることがあります。学校推薦型選抜(特に指定校推薦)は専願が大前提なので、総合型選抜とはまた別のルールで考える必要があります。

専願だから受かりやすい、とは限らない

専願は志望度の高さを示せるので有利、という説明をよく見かけます。志望度が評価の一部になる大学があるのは確かですが、難関大学・人気学部では専願でも倍率が高く、専願だから受かりやすいと一般化はできません。逆に併願可の入試は、受験しやすいぶん出願者が集まり、倍率が上がる傾向があります。専願か併願かは合格しやすさで選ぶものではなく、その大学にどれだけ行きたいかで決めるものです。

指導現場の視点
併願で複数の大学に出す場合にやりがちなのが、志望理由書の使い回しです。大学名だけ差し替えた書類は、書面の段階では通っても、面接でなぜこの大学なのかを掘り下げられた瞬間に、答えの解像度の低さで見抜かれます。併願するなら、大学ごとに、その大学でなければならない理由を自分の言葉で組み立て直す時間まで含めて計画する必要があります。出願校を増やすことは、単純に準備量が倍になることだと考えてください。

一般入試と両立させる場合のスケジュール

総合型選抜(多くは9月出願・秋選考)と一般入試(1〜2月)は時期がずれているため、日程上は両立が可能な組み合わせが多くあります。問題は時間配分です。両立を目指す場合の目安はこうなります。

高3 春〜夏
総合型選抜の書類準備と、一般入試の基礎固めを並行
この時期に志望理由書の核を作っておくと、秋に慌てずに済みます
9月まで
出願書類を完成させる
9月以降は書類づくりに時間を取られない状態にしておくのが理想です
10〜11月
面接・小論文などの選考と、一般入試の勉強を両立
選考の直前対策以外の時間は、一般入試の学習を止めないことが大切です
11月以降
合否を受けて、一般入試モードへ切り替え
残念な結果でも、共通テストまで2か月以上あります。ここからの巻き返しは十分可能な時期です
指導現場の視点
両立で一番危ないのは、日程ではなく気持ちの配分です。総合型選抜の選考が近づくと、どうしてもそちらに全部の時間を注ぎたくなり、一般入試の勉強が1か月以上止まる生徒をよく見ます。落ちたときに一番効いてくるのはこの空白期間です。両立を選ぶなら、選考期間中も1日の中に一般入試の学習時間を固定で残す。この約束を最初にできるかどうかが、両立が成立するかの分かれ目だと感じています。

結局、どう考えて選べばいいのか

整理すると、考える順番は次のようになります。まず第一志望の大学の募集要項で専願か併願可かを確認する。専願なら、合格したら入学する覚悟が持てるかを自分に問う。持てるなら出願し、並行して一般入試の準備を続ける。持てないなら、その大学は一般入試で目指すという選択も含めて考え直す。

総合型選抜は一般入試と両立できます、と言い切る情報を見かけたら、少し注意してください。両立の可否は大学・学部ごとの条件で決まるものであって、総合型選抜という制度全体の性質ではありません。志望校の募集要項を確認すること。迷ったら高校の先生や、総合型選抜に詳しい人に募集要項を一緒に読んでもらうこと。これが確実な進め方です。

代表講師 川崎
灯志舎 代表講師
川崎

総合型選抜の個別指導に携わりながら、将来のありたい姿から逆算する「ライフ・ナビゲーション」を軸に指導しています。

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