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書類の書き方

自己推薦書と志望理由書の違いと書き方|混同すると両方弱くなる

総合型選抜の出願書類でよく混同されるのが、志望理由書と自己推薦書です。同じような内容を両方に書いてしまい、結果としてどちらの書類も役割を果たせていない。添削をしていて、本当によく見る失敗です。この記事では、2つの書類の役割の違いを整理した上で、自己推薦書の構成と、評価が下がる典型的な書き方を解説します。

この記事の要点
  • 志望理由書は、自分のやりたいことと大学の求めるもの(AP)の合致を示す書類。矢印は自分と大学を結ぶ
  • 自己推薦書は、自分の強み・実績を提示して売り込む書類。矢印は自分から大学へ
  • 自己推薦書の軸は強みの提示。アドミッションポリシーは、どの強みを前面に出すかの取捨選択に使う

2つの書類は、矢印の向きが違う

まず役割をはっきり分けます。志望理由書は、自分のやりたいことと、大学の求めるもの(アドミッションポリシー)が合致していることを示す書類です。矢印は、自分と大学のあいだを結んでいます。自己推薦書は、自分がどんな経験をしてきて、どんな強みを持つ人間かを提示し、自分を売り込む書類です。矢印は、自分から大学へ、強みを差し出す方向に向いています。

大学によって、両方を求めるところ、どちらか一方のところ、名称が違うだけで実質同じものを求めるところとさまざまです。両方を提出する場合、2つの書類は面接官の手元に並びます。同じエピソードが同じ角度で書かれていたら、それは紙面の無駄遣いです。逆に、志望理由書が大学への矢印、自己推薦書が自分への矢印ときれいに役割分担できていると、2枚で立体的な人物像が伝わります。

志望理由書自己推薦書
中心の問いなぜこの大学・学部で学びたいのか自分はどんな強みを持つ人間か
主役大学での学びと将来のビジョン自分の経験と、そこで発揮された資質
リサーチ対象カリキュラム・教員・アドミッションポリシー自分の経験・強みの棚卸し
評価のポイント志望の一貫性と、大学の求めるものとの合致強みの証明と、その説得力

自己推薦書の軸は、強みの提示。アドミッションポリシーは取捨選択に使う

自己推薦書の軸は、自分の強みや実績を提示することです。ただし、思いつくままに何でもアピールすればいい、という書類ではありません。ここでアドミッションポリシーを、取捨選択の基準として使います。大学は、どんな学生に来てほしいかをアドミッションポリシーで公開しています。それを読んで、自分の持っている強みのうち、どれを前面に出すかを選ぶのです。

だから書き始める前に、志望校のアドミッションポリシーを印刷して、求める人物像に線を引いてください。主体的に学ぶ人、多様な人と協働できる人、探究心のある人。その方向性に響く自分の経験を、優先して選び出す。——ただし、注意してほしいことがあります。求める人物像との合致を"正面から"証明するのは、自己推薦書ではなく志望理由書の役割です。自己推薦書は、あくまで強みの提示が主役で、アドミッションポリシーはその見せ方を決める道具。この役割分担を守ると、2枚が重複せず、補い合います。

構成の基本形。強みは1〜2個に絞る

灯志舎メソッド|志望理由書の8点構造
過去自分の原点
現在問題意識
接続この大学
未来将来像
4つの局面に、それぞれ2つの要素。計8つの点で、一本の線として設計します。
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1
結論。自分の強みを一言で
私の強みは◯◯です、と最初に宣言します。強みは欲張らず1〜2個。3個以上並べると、全部が浅くなって何も残りません。
2
証明。強みが発揮された具体的経験
いつ、どんな状況で、何を考え、どう動き、何が変わったか。ここが書類の心臓部です。結果の大きさより、そこに至る思考と行動の具体性が評価されます。
3
接続。その強みを大学でどう活かすか
強みの自慢で終わらせず、入学後の学びにどうつながるかまで書きます。アドミッションポリシーの言葉と重ねられると、適合性の証明になります。
指導現場の視点
自己推薦書の添削で、生徒は2つのタイプに分かれます。謙遜が抜けず強みを書き切れないタイプと、実績を並べる自慢大会になるタイプです。面白いことに、どちらも直し方は同じで、エピソードを一つに絞って解像度を上げること。強みを言葉で主張する量を減らし、行動の事実で証明する量を増やす。事実が具体的であれば、謙遜も誇張も要らなくなります。読み手が勝手に、この生徒は◯◯な人だ、と結論を出してくれる書類が、一番強い自己推薦書です。

評価が下がる、典型的な書き方

やりがちな失敗何が問題か
NG長所を列挙する(協調性があり、責任感が強く、行動力もあります)証明のない形容詞は、読み手には何も伝わらない。1つに絞って経験で証明する
NG役職名で語る(部長を務めました、生徒会でした)肩書きは強みではない。その役職で何を考えどう動いたかが本体
NG志望理由書と同じ内容を書く紙面の無駄。2枚で違う角度から人物像を立体化する機会を失う
NG謙遜の枕詞(大したことではないのですが)推薦する書類で推薦をためらう文章は、読み手を戸惑わせるだけ

2枚をセットで設計する

両方の提出を求められている場合は、1枚ずつ別々に書くのではなく、先に手持ちのエピソードを全部書き出して、どの経験をどちらの書類で使うかを割り振ってください。志望分野への関心の原点になった経験は志望理由書へ。人柄や資質がよく表れた経験は自己推薦書へ。同じ経験をどうしても両方で使う場合は、切り取る角度を変えます。

そして2枚とも、書き上げたら必ず第三者に読んでもらってください。2枚を並べて読んだときに人物像が一貫しているか、逆に同じ話の繰り返しになっていないかは、書いた本人にはまず見えません。エピソードの在庫がそもそも足りないと感じる場合は、実績の作り方の記事から、出願書類全体の位置づけを確認したい場合は総合型選抜の全体像の記事から読むのがおすすめです。

指導現場の視点
書類間の一貫性は、面接で真価を発揮します。面接官は複数の書類を見ながら質問してくるので、志望理由書と自己推薦書で人物像がぶれていると、そのぶれ自体を突かれます。逆に、2枚が違う角度から同じ一人の人間を描けていると、どこから掘られても答えの軸が安定する。書類を仕上げる最終段階では、1枚ずつの完成度ではなく、セットで読んだときの一貫性を確認してください。
代表講師 川崎聡介
灯志舎 代表講師
川崎聡介

将来のありたい姿から逆算する独自メソッド「ライフ・ナビゲーション」を軸に、志望理由書から面接まで一貫して伴走しています。

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