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総合型選抜の小論文対策|読み方・構成・時間配分のすべて

小論文は、文章がうまい人が受かる試験だと思われがちです。実際は違います。評価されるのは文章の美しさではなく、問いに正面から答え、主張と根拠を筋道立てて示せているかどうか。そしてこれは、型を知って練習すれば誰でも身につく技術です。この記事では、読み方・構成・時間配分の順に、小論文対策の全体を解説します。

この記事の要点
  • 小論文の失敗の大半は、書く前の段階、設問の読み違いで起きている
  • 作文との違いは、感想ではなく主張と根拠を書くこと。構成は序論・本論・結論の3部で十分
  • 時間配分の目安は、読む・考えるに4割、書くに5割、見直しに1割

小論文と作文は、何が違うのか

最初に、いちばん大事な区別から。作文は、自分が感じたことを書く文章です。小論文は、問いに対する自分の主張を、根拠とともに示す文章です。

たとえば、SNSの功罪について論じなさい、という設問に、私はSNSで友達と繋がれて嬉しいです、と書けば作文です。SNSは情報の入手を容易にした一方で、◯◯という問題を生んでいる。私は△△という理由から、□□すべきだと考える、と書けば小論文です。感想には根拠が要りませんが、主張には根拠が必要です。この一点を意識するだけで、文章は変わり始めます。

失敗の大半は、書く前に起きている

添削をしていて痛感するのは、小論文の失敗の多くが、書く技術ではなく設問の読み違いから生まれていることです。論じなさいと問われているのに説明だけで終わる。あなたの考えを述べなさいと問われているのに、資料の要約で字数を使い切る。二つのことを問われているのに一つにしか答えない。

どれだけ立派な文章でも、問われたことに答えていなければ評価されません。これは志望理由書とまったく同じ原則です。書き始める前に、設問文を一語ずつ読み、何を、いくつ、どんな形式で問われているかを書き出す。この1分の作業が、小論文の合否をいちばん大きく左右します。

設問の言葉求められていること
説明しなさい客観的な整理。自分の意見は基本的に不要
要約しなさい課題文の論旨を、自分の言葉で短くまとめる。意見を混ぜない
論じなさい/あなたの考えを述べなさい主張+根拠。ここで初めて自分の意見を書く
〜を踏まえて課題文や資料への言及が必須。無視すると大幅減点

構成は3部で十分。凝る必要はない

小論文の構成は、序論・本論・結論の3部構成で十分です。凝った構成で個性を出そうとするより、読み手が迷わない素直な骨格の方が確実に評価されます。

1
序論(全体の1〜2割)
問いに対する自分の立場(主張)を先に示します。結論を最後まで隠す書き方は、字数の限られた試験では読み手に伝わりにくく、不利です。
2
本論(全体の6〜7割)
主張の根拠を展開します。理由は欲張らず1〜2本に絞り、それぞれに具体例やデータを添える。反対意見に触れて、それでもなお自分の主張が成り立つ理由を書けると、議論に厚みが出ます。
3
結論(全体の1〜2割)
主張を再確認して締めます。ここで新しい論点を出さないこと。書き終えたら、序論の主張と結論の主張がズレていないかを必ず確認します。
指導現場の視点
本論で理由を3つも4つも並べる生徒がいますが、字数800字の試験で理由4本は、1本あたり100字ちょっとしか書けない計算になり、全部が浅くなります。理由は1本か2本に絞って深く。浅く広くより、狭く深くの方が、小論文では圧倒的に強い。これは何十枚と添削してきて、例外がほとんどない法則です。

時間配分。書く時間は、思っているより短くていい

試験時間の使い方の目安です。多くの受験生は書く時間を最大化しようとしますが、実際に合否を分けるのは書く前の設計の質です。

工程60分の場合90分の場合やること
読む・考える約25分約35分設問の分解、課題文の読解、構成メモ(主張と根拠の骨組み)を作る
書く約30分約45分構成メモに沿って一気に書く。書きながら構成を変えない
見直す約5分約10分誤字脱字、序論と結論の一致、設問への対応漏れを確認

ポイントは、構成メモが完成するまでは本文を書き始めないことです。走りながら考える書き方は、途中で論理が迷子になり、消して書き直す時間で崩壊します。設計に時間の4割を使う勇気が、結果的に一番の時間短縮になります。

今日からできる練習法

小論文は一夜漬けが利かない代わりに、正しい練習を積めば確実に伸びます。おすすめの手順は次の通りです。

  • 過去問の設問分解だけを10本やる 書かなくていいので、志望校の過去問の設問文を分解して、何が問われているかを書き出す練習。読み違いの癖が自分で見えてきます
  • 構成メモだけを作る練習 1本フルで書くと90分かかりますが、構成メモなら15分。数をこなせるので、骨組みを作る力が効率よく鍛えられます
  • 書いたら必ず人に読んでもらう 小論文は自己採点がほぼ不可能な科目です。論理の飛躍は、書いた本人には見えません。学校の先生や指導者の添削を必ず挟んでください
  • 志望分野の基礎知識を仕入れる 学部に関連するテーマが出る大学が多いので、志望分野の入門書やニュースに日常的に触れておくと、本論の具体例の引き出しが増えます
指導現場の視点
添削を重ねて感じるのは、小論文の力は書いた本数ではなく、直した回数に比例するということです。10本書きっぱなしにするより、3本を添削を受けて2回ずつ書き直す方が、はるかに伸びます。だから練習計画には、書く時間だけでなく、直す時間を最初から組み込んでください。志望理由書とまったく同じで、文章は往復で仕上がるものです。
代表講師 川崎
灯志舎 代表講師
川崎

総合型選抜の個別指導に携わりながら、将来のありたい姿から逆算する「ライフ・ナビゲーション」を軸に指導しています。

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