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総合型選抜の基礎

総合型選抜と学校推薦型選抜の違い|指定校・公募も含めて整理

年内に決まる入試、とひとくくりにされがちな総合型選抜と学校推薦型選抜。実際には、出願の条件も時期も、求められるものもかなり違う制度です。違いを知らずに、なんとなく推薦で、と考えていると、直前になって出願資格がないことに気づく事態も起こります。この記事では、2つの制度の違いを5つの観点で整理し、どちらが自分に向いているかの考え方まで解説します。

この記事の要点
  • 最大の違いは、学校長の推薦書が必要かどうか。総合型選抜は自分の意思だけで出願できる
  • 時期もずれる。総合型は9月出願・11月以降発表、学校推薦型は11月出願・12月以降発表が基本
  • 学校推薦型は評定基準がほぼ必須。指定校は校内選考、公募は全国の受験生との競争になる

ひとくくりにされがちな、2つの年内入試

総合型選抜と学校推薦型選抜は、あわせて年内入試と呼ばれ、2025年度には両方式での入学者が全体の53.6%と一般選抜を上回りました(文部科学省調査)。ただ、この2つは似て非なる制度です。ざっくり言えば、総合型選抜は自分の意欲と適合性で挑む入試、学校推薦型選抜は高校での積み重ねを学校に証明してもらう入試。この違いが、出願条件から選考の中身まで、すべてに影響します。

5つの観点で比較する

総合型選抜学校推薦型選抜
学校長の推薦書不要。自分の意思で出願できる必須。高校の推薦を受けることが出願の前提
時期出願9月1日以降、合格発表11月1日以降出願11月1日以降、合格発表12月1日以降が基本(共通テスト利用型は年明けまで延びる)
評定平均基準を設けない大学も多い基準が設定されていることがほとんど。4.0以上などの水準も珍しくない
評価の中心アドミッションポリシーとの適合。志望理由・意欲・活動高校3年間の成績と学校生活の積み重ね
専願か併願か大学・学部によりさまざま(詳しくはこちら専願が基本。特に指定校は入学が大前提
どちらの方式も、書類・小論文・面接に加えて、何らかの形で学力を確認する要素を含むことが国の方針で求められています。年内入試だから学力は不要、という理解は現在の制度では成り立ちません。

学校推薦型の中の、指定校と公募の違い

学校推薦型選抜は、さらに2つに分かれます。

1
指定校制
大学が特定の高校に推薦枠を用意する方式で、主に私立大学で行われます。枠は1校あたり数名程度と少なく、希望者が多ければ9〜10月頃に校内選考が行われます。校内選考を通れば合格の可能性は非常に高い一方、入学辞退は原則できず、辞退すれば翌年以降の後輩の枠に影響することもあります。自分の高校にどの大学の枠があるかは、高校の進路指導室でしか分かりません。
2
公募制
大学の定める条件(評定平均など)を満たし、学校長の推薦を得られれば、全国どの高校からでも出願できる方式です。国公立大学の学校推薦型は、一部の例外を除きこの公募制です。全国の受験生と競うため、指定校と違って出願できれば安心という入試ではありません。
指導現場の視点
見落とされがちなのは、指定校の選考が校内で完結するという事実の意味です。ライバルは全国の受験生ではなく、同じ高校の同級生。そして評価されるのは、直前の頑張りではなく高1からの成績と生活の蓄積です。つまり指定校を狙えるかどうかは、高3になった時点でほぼ決まっています。高1・高2の定期テストが、実は入試の一部だった。この構造は、もっと早く知られていい情報だと思います。

どちらが自分に向いているか。判断の軸

方式選びの考え方を整理します。まず評定です。評定平均が高い(目安として4.0前後以上)なら、学校推薦型という強力な選択肢が視野に入ります。自分の高校に志望大学の指定校枠があれば、なおさらです。評定に自信がない場合は、基準を設けない大学も多い総合型選抜の方が、挑戦の入口は広くなります(評定の記事参照)。

次に、志望動機の強さです。学びたい分野と入りたい理由が明確で、それを言葉と行動で示せるなら、総合型選抜はその強みが最も活きる方式です。逆に、成績は安定しているが志望はまだ固め切れていない、というタイプは、学校推薦型の方が戦いやすいことがあります。

そして重要なのが、同じ大学・学部が両方の方式を実施している場合があることです。総合型と公募推薦の出願条件を見比べて、自分に有利な方から挑む。時期がずれている(総合型9月〜、公募推薦11月〜)ことを利用して、総合型が不合格でも公募推薦で再挑戦する、という組み立ても、条件が許せば可能です(不合格後の選択肢の記事参照)。ただし、この組み立てが可能かどうかは大学ごとの条件次第なので、必ず募集要項と高校の先生に確認してください。

指導現場の視点
方式選びの相談で伝えているのは、方式から入らず、大学から入る、という順番です。行きたい大学・学部を先に固めて、その大学がどの方式を実施していて、それぞれの条件は何かを調べる。方式は目的ではなく経路にすぎません。経路の有利不利だけで進学先を決めると、入学後に、なぜ自分はここにいるんだっけ、という問いに苦しむことになります。遠回りでも、行きたい場所から逆算する。灯志舎がライフ・ナビゲーションという逆算の設計から指導を始めるのは、この順番を守るためです。

まとめ

推薦書の要否、時期、評定基準、評価の中心、専願度。5つの観点で見れば、総合型選抜と学校推薦型選抜はまったく別の制度だと分かります。自分の評定・志望の固まり具合・高校の指定校枠という3つの現在地を確認した上で、どの経路が使えるかを整理してみてください。総合型選抜そのものの仕組みは全体像の記事で詳しく解説しています。

代表講師 川崎
灯志舎 代表講師
川崎

総合型選抜の個別指導に携わりながら、将来のありたい姿から逆算する「ライフ・ナビゲーション」を軸に指導しています。

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