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総合型選抜の基礎

総合型選抜はいつから準備すべき?学年別の逆算スケジュール

総合型選抜の準備って、いつから始めればいいんですか。無料相談でいちばん多い質問です。答えを先に言うと、理想は高校2年生のうち、そして高3からでも優先順位を絞れば戦えます。ただし高3スタートの場合、できることとできないことがはっきり分かれます。この記事では、出願から逆算した学年別のスケジュールと、スタート時期ごとの戦い方を解説します。

この記事の要点
  • 出願は9月1日以降。高3の4月に始めると、書類完成まで実質5か月しかない
  • 理想のスタートは高2。理由は、高3からでは活動実績を新しく作る時間がないから
  • 2027年度入試からは学力試験を課す総合型選抜が本格化する見込み。早期の情報収集がより重要に

まず結論。逆算すると高3春はすでに直前期

総合型選抜の出願は、文部科学省のルールで9月1日以降と決まっています。高3の4月にゼロから始めた場合、自己分析、大学・学部研究、志望校決定、志望理由書の作成と練り直し、これらすべてを5か月で終わらせることになります。

できなくはありません。実際、高3スタートで間に合わせる受験生もいます。ただ、一般入試の感覚で、部活を引退した夏から本気を出せばいい、と考えていると確実に間に合いません。総合型選抜の準備の大半は、机に向かう勉強ではなく、考えて、書いて、直す作業です。この作業は詰め込みが利きません。

9月1日〜
出願開始(文科省ルール)
約5か月
高3の4月に始めた場合の準備期間
11月1日〜
合格発表(同ルール)

学年別。いつ、何を始めるか

高1
評定を守り、興味の種を見つける時期
評定平均は高1の成績から算入されます。この時期の定期テストの積み重ねが、2年後の出願条件を左右します。あわせて、部活・探究・日常の中で、自分は何に興味があるのかを意識し始めるだけで十分です。
高2
活動を積み、志望の方向性を絞る時期
総合型選抜を本格的に意識して動き出すベストタイミング。オープンキャンパスへの参加、探究活動やコンテストへの挑戦、英語外部検定の受験など、あとで書類に書ける経験を作れる最後の学年です。
高3 春(4〜6月)
志望校を確定し、書類の核を作る時期
募集要項を読み込み、出願条件(評定・外部検定・専願併願)を確認。自己分析を深めて、志望理由書の一次稿をこの時期に書き始めます。英検を出願に使うなら、第1回検定(5〜6月頃)が実質ラストチャンスです。
高3 夏(7〜8月)
書類を練り直し、完成させる時期
志望理由書は一度書いて終わりではなく、書いては直すの繰り返しで仕上がります。夏の間に第三者のフィードバックを受けながら完成度を上げ、8月末までに提出できる状態にするのが理想です。
高3 秋(9月〜)
出願、そして面接・小論文対策
出願後は選考対策に集中。面接は書類の内容を自分の言葉で語れるかが問われるので、書類作成に時間をかけた人ほど、この時期が楽になります。

高3から始める場合の優先順位

いま高3で、これから始める場合。全部やろうとすると全部が中途半端になるので、優先順位を絞ります。

1
募集要項の確認(今日やる)
志望校候補の出願条件を確認します。評定や外部検定が条件になっていて満たせない場合、その大学は候補から外れます。逆に、条件のない大学は今からでも十分戦えます。評定の考え方はこちらの記事に詳しく書きました。
2
自己分析と志望理由書(最優先で時間を割く)
新しい活動実績を作る時間はもうありません。代わりに、これまでの経験の意味を掘り下げることに時間を使います。過去は増やせませんが、過去の解釈は深められます。
3
一般入試の学習を止めない
総合型選抜は合格を保証できる入試ではありません。挑戦しつつ、共通テスト・一般入試の勉強を並行して続けることが、結果的に精神的な安定にもつながります。両立の考え方はこちら
指導現場の視点
高3の夏に駆け込みで相談に来る生徒には、共通点があります。書く材料がないのではなく、材料を掘り下げる時間がないのです。志望理由書の質は、書いた回数ではなく、書いては直すを何往復できたかで決まります。スタートが遅れるほど、この往復の回数が物理的に減る。準備を早く始める本当の意味は、この往復の回数を確保することにあります。

2027年度入試から、学力試験の壁が加わる

もう一つ、これから受験する人が知っておくべき変化があります。2025年6月に文部科学省が方針を変え、総合型選抜などの年内入試でも学力試験を課すことが認められました。背景には、2025年度入試で東洋大学が総合型選抜に学力試験を導入し、大きな話題になったことがあります。多くの大学の2026年度入試要項はすでに決まっていたため、学力試験つきの総合型選抜が本格的に広がるのは2027年度入試から、と見られています。

つまり、これから総合型選抜を受ける学年ほど、書類・面接に加えて基礎学力の裏付けも問われる方向に進みます。総合型選抜だから勉強しなくていい、という考えは、これまで以上に通用しなくなります。ただし文部科学省は、学力試験単体での選抜は認めず、必ず小論文や面接など多面的な評価と組み合わせることを求めています。人物を見る入試という本質は変わりません。

志望校の選考内容は年度ごとに変わる可能性があります。この記事の内容は執筆時点の制度に基づいているので、実際の出願にあたっては必ず最新の募集要項を確認してください。

結局、今が一番早い

高1でも高2でも高3でも、共通して言えることは一つです。総合型選抜の準備で一番大きな資産は時間で、それは今日が一番多く残っています。何から手をつければいいか分からない場合は、まず総合型選抜の全体像を押さえて、自分の学年の項目から動き始めてください。高1・高2の人は、今の学年でできる準備をまとめた記事も用意しています。

指導現場の視点
早く始めた生徒が有利になる一番の理由は、実は書類の完成度ではありません。志望校を選び直せることです。準備を進める中で、この学部は思っていたのと違う、と気づくことはよくあります。高2ならそこから方向転換できますが、高3の夏では選び直す時間がない。急がば回れが、この入試ではそのまま当てはまります。
代表講師 川崎
灯志舎 代表講師
川崎

総合型選抜の個別指導に携わりながら、将来のありたい姿から逆算する「ライフ・ナビゲーション」を軸に指導しています。

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