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進路の考え方

高1・高2から始める総合型選抜の準備|今できる5つのこと

高1・高2で総合型選抜に興味を持ったあなたは、それだけでかなり有利な位置にいます。高3生が持っていない最大の資産、時間がまだあるからです。ただし、時間があるうちは何をすればいいかが漠然としがちなのも事実。この記事では、高1・高2の今だからできる準備を5つに絞って、優先順位とともに解説します。

この記事の要点
  • 高1・高2の最大の資産は、実績をこれから作れる時間。高3では過去を増やせない
  • 優先順位の第1は評定。積み上げ式なので、後から取り返しが利かない
  • 月1回のメモ習慣が、高3で書類を書くときの素材集になる

高1・高2が持っている、高3にはない資産

先に、なぜ早いスタートが有利なのかをはっきりさせておきます。準備時期の記事でも書いた通り、高3の4月に始めると出願まで5か月しかありません。この5か月でできるのは、過去の経験を掘り下げて言葉にすることまでです。新しい経験を積む時間は、もうほとんど残っていません。

高1・高2は違います。これから挑戦して、失敗して、やり直す時間がある。つまり、書類に書く中身そのものをこれから作れる。これが決定的な差です。しかも2027年度入試からは学力試験を課す総合型選抜が本格化する見込みで、書類・面接に加えて基礎学力の裏付けも問われる方向に進んでいます。日々の学習と両立しながら準備できる時間の価値は、これまで以上に上がっています。

やることは5つ。優先順位つき

1
評定を守る(最優先)
評定平均は高1の成績から算入される積み上げ式で、あとから取り返しが利きません。高3で評定を理由に志望校を諦めるのは、本当にもったいない負け方です。定期テストを丁寧に積むこと。これが総合型選抜の準備の土台です。詳しくは評定平均の記事へ。
2
英語外部検定を、余裕のあるうちに
英検などの外部検定が出願条件や加点になる大学は多く、高3になってから慌てて受けると失敗のやり直しが利きません。高1・高2のうちに2級までを目安に受け始めておくと、高3の選択肢が広がります。スコアの有効期限(出願から2年以内が多い)にだけ注意。詳しくは外部検定の記事へ。
3
興味の種を育てる
気になったことを調べる、探究の授業を本気で使う、コンテストに応募してみる、ボランティアに参加してみる。結果はどうでもよくて、自分から動いた経験そのものが、あとで書類の核になります。何に興味があるか分からない場合は進路の考え方の記事から、実績の育て方は実績づくりの記事からどうぞ。
4
大学を、自分の目で見に行く
オープンキャンパスは高3の行事ではありません。むしろ志望校が固まる前の高1・高2にこそ価値があります。学部の説明を聞いて、キャンパスの空気に触れて、思っていたのと違う、を早い時期に経験しておく。この違和感こそが、志望校選びの精度を上げる材料です。
5
月1回、記録を残す
今月やったこと、気になったこと、考えたことを、月に1回スマホのメモに数行書く。それだけです。地味に見えて、これが高3のあなたを一番助けます。理由は次の項で。

なぜ記録が、5つの中に入っているのか

志望理由書を書く高3の夏、ほぼ全員がぶつかる壁があります。自分が高1・高2で何を考えていたか、思い出せないのです。文化祭で頑張ったことは覚えていても、そのとき何に悩んで、どう判断したかという細部は、1年経つと驚くほど消えます。そして書類や面接で価値を持つのは、まさにその細部です。

月1回のメモは、未来の自分への引き継ぎ資料です。数行の記録があるだけで、高3のあなたは当時の思考を再現できます。書類の素材集めが、ゼロからの発掘作業ではなく、メモをめくる作業に変わる。この差は、実際に書く段階になると本当に大きいです。

指導現場の視点
高2から指導を始めた生徒と高3から始めた生徒とで、いちばん差が出るのは文章力ではなく、素材の在庫です。高2から記録の習慣がある生徒は、志望理由書の材料選びの段階で、複数の経験から一番強いものを選べる。高3から始めた生徒は、思い出せた数少ない経験で戦うしかない。同じ能力の生徒でも、この在庫の差が書類の厚みの差になって表れます。

学年別。今年やることの整理

高1高2
評定定期テストの習慣づくり。苦手科目を放置しない引き続き最優先。評定の計算方法を知り、現在地を把握する
外部検定まず1回受けて、形式に慣れる2級を目安に取得を目指す。志望候補の要件も確認し始める
活動興味の幅を広げる時期。何でも試す興味を1〜2本に絞って深める時期。探究・コンテスト等に挑戦
大学研究オープンキャンパスに1校は行ってみる複数校を比較し、志望の方向性を絞り込む
記録月1回のメモを、今月から
全部を完璧にやる必要はありません。優先順位の1(評定)と5(記録)だけは外さず、残りは自分のペースで。総合型選抜の制度自体をまだ知らない場合は、全体像の記事から読むのがおすすめです。

早く始めた人だけが持てる、選び直す自由

最後に、高1・高2で始めることの一番の価値を。それは、途中で方向転換できる自由です。準備を進める中で、この分野は思っていたのと違った、と気づくことは普通にあります。高2でその気づきが来れば、志望を選び直して、新しい方向で実績を積む時間がまだある。高3の夏では、その自由はもうありません。

やりたいことが変わるのは、考えが浅いからではなく、考えが進んだ証拠です。変わってもやり直せる時期に考え始めた人だけが、納得のいく志望校選びにたどり着けます。今日、月1回のメモの1本目を書くところから始めてみてください。

代表講師 川崎
灯志舎 代表講師
川崎

総合型選抜の個別指導に携わりながら、将来のありたい姿から逆算する「ライフ・ナビゲーション」を軸に指導しています。

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