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進路の考え方

活動実績がなくても大丈夫?総合型選抜のための実績の作り方

総合型選抜に興味はあるけれど、書けるような活動実績が何もない。この理由で挑戦を諦めかけている高校生は本当に多いです。でも、その実績の定義がそもそも誤解かもしれません。大学が見たいのは賞状や肩書きの数ではなく、興味に対して自分がどう動いたかの記録です。この記事では、実績を種から育てる考え方と、今日から始められる具体的な行動を紹介します。

この記事の要点
  • 実績とは受賞歴や役職のことではなく、問いを持って動いた記録のこと
  • 実績は、興味 → 小さな行動 → 記録 → 振り返り、のサイクルで育てられる
  • 高3で時間がない場合は、新しい実績づくりより、過去の経験の意味づけを深める方が効く

大学が見たい実績は、賞状のことではない

活動実績と聞くと、全国大会出場、コンテスト受賞、生徒会長。そういう華やかなものを想像しがちです。もちろんそれらも実績ですが、大学が本当に見たいのは結果の華やかさではありません。何に関心を持ち、それに対して自分から動いたか。そのプロセスです。

考えてみれば当然で、大学は入学後に学び続けられる人を選ぼうとしています。受賞歴は過去の一点の結果ですが、興味に対して自分から調べ、動き、考えを深めた経験は、入学後も再現される行動パターンです。だから、地域の課題を自分なりに調べてレポートにまとめた、興味のある本を読み込んで著者に質問の手紙を送った、といった小さな行動も、そこに本人の問いと行動があれば、立派に語れる実績になります。

実績は、4つのサイクルで育てる

実績づくりというと大げさに聞こえますが、やることはシンプルなサイクルの繰り返しです。

1
興味に気づく
ニュースでつい手が止まる話題、日常で感じた疑問や違和感。ここが種です。立派である必要はありません。興味の見つけ方はこちらの記事で詳しく書いています。
2
小さく動く
調べる、読む、行ってみる、作ってみる、聞いてみる。最初の行動は小さいほどいい。大きな計画は始まらないまま終わりますが、今日できる行動は今日始まります。
3
記録する
いつ、何をして、何が分かって、何を疑問に思ったか。スマホのメモで数行、月1回でも構いません。この記録が、1年後に書類の素材になります。
4
振り返って、次の問いを立てる
動いてみると、必ず次の疑問が生まれます。その疑問がサイクルの2周目の入口です。この繰り返しの回数が、そのまま探究の深さになります。
指導現場の視点
書類の添削で強いと感じるのは、大会で優勝しましたという一文より、うまくいかなかったので原因を調べて、やり方を変えて再挑戦しましたという流れです。結果の大きさは本人の環境にも左右されますが、問い直して動き直した経験は、本人の中身そのものだからです。実績がないと悩んでいる人は、実績の棚卸しをする前に、まず自分のこれまでの失敗と、そのあと何をしたかを思い出してみてください。そこに原石が眠っていることが本当に多いのです。

今日から始められる行動の例

種まきの具体例を、方向性別に挙げます。全部やる必要はまったくなく、自分の興味に近いものを一つ選べば十分です。

方向性行動の例書類でどう活きるか
探究を深める気になるテーマを1つ決めて調べ、A4一枚のレポートにまとめる。学校の探究の時間を本気で使うのも有効問題意識の証明として、志望理由書の核になる
現場に触れるオープンキャンパス、地域のイベントやボランティア、興味のある仕事をしている人への訪問行動力の証明。面接で具体的に語れる体験になる
形にして出すコンテスト・コンクールへの応募、文化祭や部活での企画、SNSやブログでの発信結果が出なくても、挑戦したこと自体が語れる素材になる
力を証明する英語外部検定、興味分野に関連する資格・検定の取得出願条件や加点になる場合も。外部検定の記事参照
どの活動を選ぶかで迷ったら、志望分野とのつながりで選ぶのが原則です。ただし高1・高2の段階では、志望分野がまだ定まっていなくても心配いりません。興味に従って動いた経験は、あとからどの分野にも接続できます。

高3で時間がない場合。実績は作るより、掘る

すでに高3で、これから新しい活動を始める時間がない場合。焦って付け焼き刃の活動に手を出すより、有効な戦い方があります。過去の経験の意味づけを深めることです。

部活、委員会、アルバイト、家の手伝い、趣味。どんな経験にも、そのとき考えたこと、工夫したこと、うまくいかなくて変えたことがあるはずです。それを掘り起こして言葉にすれば、履歴書的には平凡に見える経験が、あなたにしか語れないエピソードに変わります。実績の量は今から増やせませんが、実績の解像度は今からでも上げられます。

指導現場の視点
面談で、書けることが何もないと言っていた生徒が、対話の中で、そういえば部活で新入生の練習メニューを勝手に作り直したことがある、と思い出す。こういう瞬間が実際によくあります。本人にとって当たり前すぎる行動は、本人の記憶の中で実績として登録されていないのです。自分ひとりの棚卸しに限界を感じたら、第三者との対話を挟んでください。他人の目は、自分では見えない価値を見つけるための、いちばん確実な道具です。

始めるのに、遅すぎることはない

高1・高2なら、今日まいた種が出願までに育つ時間は十分あります。高3なら、これまでの経験を掘る作業に今日から取りかかれます。どちらの場合も、共通する第一歩は記録することです。ノートかスマホに、自分がこれまでやってきたこと、今気になっていることを、思いつくまま書き出す。その1ページが、志望理由書の最初の素材になります。書き方の段階に進んだら、志望理由書の記事を読んでみてください。

代表講師 川崎
灯志舎 代表講師
川崎

総合型選抜の個別指導に携わりながら、将来のありたい姿から逆算する「ライフ・ナビゲーション」を軸に指導しています。

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