高校の探究学習を総合型選抜に活かす方法|授業を武器に変える
今の高校生は全員、総合的な探究の時間という授業を経験します。多くの生徒にとっては、なんとなくこなす授業。でも総合型選抜の視点で見ると、これは全高校生に平等に配られている、実績づくりの機会です。同じ授業時間を使って、武器になる探究とならない探究の差はどこで生まれるのか。テーマの選び方から志望理由書への接続まで解説します。
- 探究の時間は、全員に配られている実績づくりの機会。使い方次第で総合型選抜の核になる
- 評価されるのは結論の立派さではなく、問いの立て方と、調べて動いた過程
- 探究テーマと志望分野が違っていても問題ない。問いを深める力そのものが評価される
探究の授業は、受験と別物ではない
2022年度から高校で必修化された総合的な探究の時間。自分で問いを立て、調べ、まとめ、発表するこの授業は、実は総合型選抜が評価しようとしているものと、ほぼ同じ構造をしています。主体的に問いを立てられるか。自分で調べて考えを深められるか。それを言葉にして伝えられるか。
つまり、探究の授業に本気で取り組むことは、授業時間の中で総合型選抜の準備をしているのと同じことです。放課後の時間を使わずに、志望理由書の核になる経験を積める。部活や勉強で忙しい高校生にとって、これほど効率のいい機会はありません。実績の作り方の記事で書いた、興味から動いて記録するサイクルを、授業の枠組みが半分用意してくれているのです。
武器になる探究と、ならない探究の分かれ目
同じ授業を受けても、書類で語れる探究になる生徒とならない生徒がいます。分かれ目は、テーマの立派さではありません。問いが自分のものかどうかです。
| ならない探究 | 武器になる探究 | |
|---|---|---|
| 問い | SDGsについて、のような大きく借り物のテーマ | なぜ地元の商店街は日曜に閉まるのか、のような自分の疑問から出た問い |
| 調べ方 | 検索結果の上位をまとめて終わり | 文献に加えて、アンケート・インタビュー・現地観察など一次情報を取りにいく |
| 結論 | 大切だと分かりました、という感想 | 仮説がどう変わったか、何が分からないまま残ったかまで言える |
| その後 | 発表して終了 | 次の問いが生まれていて、続きを自分で追っている |
ポイントは、うまくいったかどうかは評価と関係ないことです。アンケートが集まらなかった、仮説が外れた、結論が出なかった。それらは失敗ではなく、探究が本物だった証拠です。むしろ、想定通りに進んですべてが証明された探究の方が、深掘りされると答えに窮します。
探究テーマと志望分野が違っていても大丈夫
よくある心配が、探究のテーマが志望学部と関係ない、というものです。結論から言えば、大きな問題ではありません。大学が探究の経験に見ているのは、テーマの一致ではなく、問いを立てて深める力そのものだからです。その力は分野を問わず持ち運べます。
それに、一見無関係なテーマも、掘れば接続点が見つかることが多いのです。商店街の探究から地域経済への関心が生まれて経済学部へ。部活の練習法の探究からスポーツ科学へ。接続の線は、テーマの表面ではなく、自分が何に引っかかったかの中にあります。どうしてもつながりが見えない場合は、その探究で身につけた方法(仮説の立て方、一次情報の取り方)を大学での学びにどう活かすか、という角度で書けば筋が通ります。
授業を武器に変える、4つの動き方
今週の探究の時間から、変えられる
探究学習の良いところは、今すでにカリキュラムの中にあることです。新しく何かを始める必要がなく、来週の授業から取り組み方を変えるだけでいい。まずは今のテーマの中に、自分だけの小さな問いを一つ立ててみてください。その問いが、1年後の志望理由書の一行目になっているかもしれません。探究で見つけた関心を進路につなげる考え方は進路の考え方の記事で、総合型選抜という入試の全体像は基礎の記事で詳しく書いています。