出願準備
総合型選抜、高3の夏休みの過ごし方|40日で書類を仕上げる設計図
9月1日の出願開始から逆算すると、高3の夏休みは、総合型選抜の書類を仕上げるための実質的な最終ラウンドです。この40日をどう設計するかで、出願時の書類の完成度がほぼ決まります。この記事では、夏休みを週単位で区切った設計図と、毎年見かける、やってはいけない過ごし方を解説します。
この記事の要点
- 夏休みの目標は一つ。8月末までに、出願書類一式を仮完成させること
- 設計は週単位で。前半に書類の往復、後半に仕上げと手続き準備を置く
- 総合型に全振りしない。1日の中に一般入試の学習時間を固定で残す
夏休みのゴールは、8月末の仮完成
まずゴールを一つに絞ります。8月末の時点で、出願書類一式が仮完成していること。仮完成とは、第三者の添削を最低2往復は経て、あとは最終確認だけという状態です。
なぜ8月末か。出願期間に入ってからの直前1週間は、Web出願の入力、郵送、写真や受験料といった手続きに取られるからです(書類チェックリストの記事参照)。中身を練る作業と、提出する作業は、時期を分けておかないと、締切前に両方が混ざって事故が起きます。
40日の設計図。週単位で区切る
第1週(7月下旬)
現在地の確認と、素材の総ざらい
募集要項を再読して必要書類を一覧化。志望理由書の現在の稿を読み直し、足りない要素(大学リサーチ、エピソードの深掘り)を洗い出します。まだ初稿がない人は、この週で一気に初稿を書き切ります。質は問いません。直す土台を作ることが目的です
第2〜3週(8月上旬)
書類の往復に集中する
添削を受けて直す、を最低2往復。学校の先生に頼む場合、先生の夏休みの予定を先に確認して、添削の約束を取り付けておくこと。オープンキャンパスに行くならこの期間に。行った直後の記憶が新しいうちに、書類のその大学でなければならない理由を書き換えます(歩き方の記事参照)
第4週(8月中旬)
全書類を並べて、通しの点検
志望理由書・自己推薦書・活動報告書を机に並べ、一人の人間として一貫しているかを確認。高校に依頼する調査書がまだなら、この週がリミットです
第5週(8月下旬)
仮完成と、9月の段取り
最終稿を確定し、出願手続きの日程(入力日・郵送日)をカレンダーに落とします。あわせて、9月以降の面接・小論文対策の計画をここで立てておくと、出願後に迷いません
出願日程は大学ごとに違います。9月頭に出願が始まる大学を前提にした設計図なので、志望校の日程に合わせて各週を前後にスライドさせてください。
一般入試の勉強は、消さずに細くする
夏の設計で一番悩むのが、受験勉強との配分です。原則はこれまでの記事で書いてきた通り、総合型に全振りしない。書類が佳境でも、1日の中に一般入試の学習時間を固定で確保します。たとえば午前は受験勉強、午後は書類、のように時間帯で分けると、切り替えの消耗が減ります。
比率は志望校の方式によります。共通テストを課す国公立の総合型(国公立の記事参照)なら、学習の比重はそもそも下げられません。私立の書類・面接中心の方式でも、不合格だった場合の一般入試を考えれば、学習ゼロの夏は選択肢に入りません。
指導現場の視点
夏の面談で毎年見かける危険信号が、書類が進んでいないのに、気分だけが忙しい状態です。志望理由書を開いては閉じ、参考書を開いては閉じ、どちらも進まないまま日が暮れる。原因は能力ではなく、今日はどっちを何時間やるかを朝決めていないことです。対策は単純で、前日の夜に、翌日の時間割を15分で書くこと。夏休みは学校という時間割が消える期間なので、自分で時間割を発行した人だけが、40日を味方にできます。
やってはいけない夏の過ごし方
| パターン | 何が起きるか |
|---|---|
| NG書類を8月後半から始める | 添削の往復が1回もできず、初稿レベルで提出することになる。夏の失敗の最多パターン |
| NGオープンキャンパスの予定で埋める | 見に行くのは手段であって成果ではない。行った分だけ書類に反映して初めて意味がある |
| NG受験勉強を完全に止める | 秋に選考が続く間、学習の空白が伸び続け、不合格時の切り替えが利かなくなる |
| NG完璧な書類を目指して往復を止める | 提出しない完璧より、期日に間に合う90点。書類は面接で補完できるが、未提出は補完できない |
夏の最初の一歩は、カレンダーに線を引くこと
この記事を読み終えたら、カレンダーを開いて、8月末に仮完成と書き込んでください。そこから逆に、添削をお願いする日、オープンキャンパスの日、初稿を書き終える日を置いていく。40日は、区切らなければただの40日ですが、区切れば5つの締切を持つ計画になります。総合型選抜全体のスケジュール感は準備時期の記事と基礎の記事で確認できます。