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書類の書き方

課題図書レポート・事前課題の書き方|読書感想文にしない

指定図書を読んでレポートを提出、という事前課題を課す大学があります。ここで多くの受験生が、読書感想文を提出してしまいます。感動しました、考えさせられました。それは感想であって、大学が見たいものではありません。この記事では、課題図書レポートで評価される読み方・書き方と、ありがちな失敗を解説します。

この記事の要点
  • レポートは感想文ではない。求められているのは、内容の正確な理解と、自分の考察の分離
  • 配分の目安は、要約2〜3割、考察6〜7割。あらすじで字数を埋めない
  • 考察は、賛成・反対の表明ではなく、本の主張と自分の経験・知識の接続で書く

感想文とレポートの違い

読書感想文は、本を読んで自分が感じたことを書く文章です。課題レポートは、本の主張を正確に理解した上で、それについて自分の考えを論じる文章。小論文の記事で書いた、作文と小論文の違いと同じ構造です。大学がこの課題で見ているのは、読解力(著者の主張を正確につかめるか)、思考力(主張に対して自分の頭で考えられるか)、そしてその2つを分けて書けるか、です。

分けて書く、が特に重要です。著者の主張と自分の意見が混ざった文章は、読解の不正確さとして評価が下がります。ここからは著者、ここからは私、の境界線が明確なレポートを目指してください。

読み方。線を引くのは3種類

1
主張の線:著者が一番言いたいこと
各章の結論、繰り返される主張、タイトルに直結する文。ここが要約の材料になります。
2
引っかかりの線:自分が反応した箇所
なるほどと思った、本当か?と疑った、自分の経験とつながった。この反応が、考察の種です。読みながら、余白に一言ずつ反応をメモしておくと、書く段階で宝の山になります。
3
接続の線:志望分野とつながる箇所
課題図書は多くの場合、学部の学びに関連する本が選ばれています。本の内容と、自分が学びたいことの接点。ここに触れられると、レポートが志望理由の補強にもなります。

書き方。要約2〜3割、考察6〜7割

構成の基本形です。①本の主張の要約(全体の2〜3割)。自分の言葉で、正確に、短く。あらすじの再現ではなく、論旨の圧縮です。②考察(6〜7割)。引っかかりの線から1〜2点を選び、深く論じます。③結び(1割)。この本から得た視点を、自分の学びにどうつなげるか。

最も多い失敗は、要約が7割を占めるレポートです。あらすじは、書いた本人には作業した実感がありますが、読み手には、この受験生は自分の考えを持っていない、と映ります。字数の主役は、あなたの考察です。

指導現場の視点
考察が書けない、という相談には、考察の型を2つ渡しています。一つは接続型。著者の主張を、自分の経験や知っている事例に当てはめてみて、成り立つか、ずれるかを論じる。もう一つは限界型。著者の主張が成り立つ条件を考え、成り立ちにくい場面はないかを探す。どちらも、賛成です・反対です、という立場表明より一段深い考察になります。特に接続型は、あなたにしか書けない具体(自分の経験)が入るので、他の受験生と自然に差がつきます。

選択式の場合。本の選び方

複数の指定図書から選ぶ形式なら、選び方にも戦略があります。基準は、有名さでも薄さでもなく、自分の経験と接続できるかです。パラパラと立ち読み(書店・図書館で目次と序章を読む)して、引っかかりが多く生まれそうな本を選ぶ。考察の書きやすさは、本の難易度ではなく、自分との接点の多さで決まります。

レポートの内容は、面接で深掘りされる前提で書いてください。本のこの部分について、あなたはこう書いていたけれど…、という質問は定番です。つまり、レポートに書いたことは、口頭で語れる必要がある。例文の記事で書いた原則と同じで、借り物の考察やAI任せの文章は、ここで崩れます。読んで、考えて、書く。遠回りに見えて、それが面接まで含めた最短路です。
指導現場の視点
課題図書のレポート指導で、一番伸びる瞬間は、生徒が著者に反論し始めたときです。最初はみんな、偉い人の本に異を唱えていいのか、と遠慮します。でも、根拠を添えた誠実な疑問は、批判ではなく学問の入口です。ここは自分の経験と合わない、この主張はこの場面では成り立たないのでは。その一節があるレポートは、従順な要約の山の中で、確実に目に留まります。大学が欲しいのは、本を信じる人ではなく、本と対話できる人です。

まとめ

課題図書レポートは、要約と考察を分け、考察に字数の主役を渡し、自分の経験と接続して書く。小論文の基礎は書き方の記事、書類全体の段取りはチェックリストの記事、総合型選抜の全体像は基礎の記事で確認してください。

代表講師 川崎
灯志舎 代表講師
川崎

総合型選抜の個別指導に携わりながら、将来のありたい姿から逆算する「ライフ・ナビゲーション」を軸に指導しています。

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