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総合型選抜の基礎

調査書とは?大学入試で何が見られ、今から何ができるのか

出願書類の中で、調査書だけは性格が違います。志望理由書は直前まで練り直せますが、調査書は高校が作成する公式記録で、自分では一文字も書けません。では、打つ手がないのかというと、逆です。調査書の中身は、日々の高校生活そのもので作られています。この記事では、調査書に何が書かれ、どう評価に使われ、今から何ができるのかを解説します。

この記事の要点
  • 調査書は高校が作成する公式記録。評定・出欠・活動・行動の特徴などが記載される
  • 自分では書けないが、中身は日々の授業・提出物・活動で自分が作っている
  • 志望理由書や面接の内容と、調査書の記録が響き合うと、書類全体の説得力が上がる

調査書には、何が書かれているのか

調査書は、在籍する高校が作成し、厳封されて大学に送られる公式書類です。主な記載内容は次の通りです。

項目内容
学習の記録各教科・科目の評定。ここから評定平均(学習成績の状況)が算出される(計算方法の記事参照)
出欠の記録欠席・遅刻・早退の状況。理由がある場合は備考で説明されることもある
特別活動の記録部活動、生徒会、委員会、学校行事での役割など
指導上参考となる諸事項行動の特徴、特技、資格・検定、表彰、探究学習の成果など、担任等が記述する所見

ポイントは、成績という数字だけでなく、高校生活の質的な記録も含まれることです。総合型選抜は多面的な評価を掲げる入試なので、この質的な部分も、書類全体を読み解く材料として使われます。

総合型選抜で、調査書はどう使われるか

使われ方は大学によりますが、大きく3つの役割があります。第一に、出願資格の確認。評定平均の基準がある方式では、調査書の数字がそのまま資格判定に使われます。第二に、評価の一要素。調査書の内容を点数化したり、面接の参考資料にしたりする大学があります。第三に、そして見落とされがちなのが、他の書類の裏付けとしての役割です。

志望理由書に、生徒会活動で◯◯に取り組んだと書いてあるとき、調査書の特別活動の記録にその事実があるかどうか。書類同士は突き合わせて読まれます。自分で書く書類と、高校が書く公式記録が響き合っているとき、書類全体の信頼性が一段上がるのです。

指導現場の視点
調査書との整合で、もう一つ実務的な助言を。志望理由書の核にする活動については、担任の先生に、この活動を軸に出願するつもりだと早めに伝えておいてください。調査書の所見欄を書くのは先生です。先生があなたの挑戦の文脈を知っているのと知らないのとでは、記述の解像度が変わり得ます。調査書は自分で書けない書類ですが、先生とのコミュニケーションを通じて、間接的に質を高められる書類でもあるのです。

今からできること。学年別の打ち手

1
高1・高2:記録の中身を作る時期
評定を積む(定期テスト・提出物・授業への参加)、活動に取り組む、資格や検定に挑戦する。高1・高2の準備の記事で書いた5つのことが、そのまま調査書の中身になります。特に出欠は、理由のない欠席・遅刻を重ねない意識だけでも違います。
2
高3前半:最後の評定と、先生への共有
高3の1学期は評定が確定する最終ラウンド。あわせて、担任・進路指導の先生に出願の計画を共有し、調査書の発行依頼の時期と手順を確認しておきます。
3
出願期:早めの依頼と、内容の確認
調査書の発行には時間がかかります(書類の記事参照)。複数校に出願する場合は必要部数も忘れずに。なお、調査書は厳封が原則で、自分で開封してはいけません。記載内容に不安があれば、発行前に先生に相談してください。

欠席が多い・評定に穴がある場合

過去の記録は変えられません。ただ、記録の意味づけは、他の書類と面接で補えます。体調や家庭の事情で欠席が続いた時期があるなら、隠すのではなく、必要に応じて事情と、そこからどう立て直したかを語れるように準備しておく。むしろ困難からの立て直しは、あなたの回復力の証明として語り得る素材です。評定の穴も同様で、評定に不安がある場合の記事で書いた通り、評定基準のない大学を含めて戦略を組めば、道は残っています。

指導現場の視点
調査書を気にしすぎて、先生の前で良い子を演じることに疲れてしまう生徒がたまにいます。順番が逆です。調査書のために生活を作るのではなく、興味に従って動いた生活の結果が調査書に残る。この順番なら、記録と本人の言葉は自然に一致します。作られた記録と演じた面接は、突き合わせればどこかで軋みます。一致は、演技ではなく生活からしか生まれません。

まとめ

調査書は、自分では書けないが、自分の日々が書いている書類です。数字(評定)は計算の記事で現在地を把握し、記録(活動・出欠)は今日からの生活で積む。そして出願期には、早めの依頼と他書類との整合を。調査書が選考全体のどこに位置づくかは、総合型選抜の基礎の記事で確認できます。

代表講師 川崎
灯志舎 代表講師
川崎

総合型選抜の個別指導に携わりながら、将来のありたい姿から逆算する「ライフ・ナビゲーション」を軸に指導しています。

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