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情報・理工系の総合型選抜対策|作ったものが語る、をどう用意するか

情報・理工系の総合型選抜には、他の分野にない強みがあります。興味の証明を、言葉ではなく、作ったもの・調べたものの形で示せることです。一方で、この分野の志望者には、書くのが苦手、話すのが苦手という人も多い。この記事では、制作物や探究をどう選考の武器にするか、学力の裏付けをどう用意するか、そして言語化が苦手な人の現実的な書類戦略を解説します。

この記事の要点
  • この分野の最強の証明は、作ったもの・試したもの・調べたもの。小さくていいから形にする
  • AIが好き、ゲームが好き、で止めない。作る側・仕組みの側への一歩があるかが分水嶺
  • 理工系は入学後の学びが数学・物理に支えられる。学力の裏付けは避けて通れない

この分野の特権。証明をものづくりで示せる

文系の学部では、関心の証明は主に言葉と行動の記録で行います。情報・理工系は違います。プログラムを書いた、電子工作をした、実験してデータを取った、シミュレーションを回した。成果物そのものが、何百字の作文より雄弁な証明になる。これはこの分野の受験生だけが使える特権です。

誤解しないでほしいのは、立派な作品である必要はないということです。動きのぎこちない自作ゲーム、部活の出欠管理を楽にする簡単なツール、自由研究の延長の観察記録。完成度ではなく、自分の興味や困りごとから出発して、手を動かしたという事実が評価の対象です。むしろ、うまく動かなくて試行錯誤した過程こそ、面接で一番深く語れる部分になります(実績の記事の構造そのままです)。

好き、と、志望理由の間にある一歩

この分野で最も多い入口は、ゲームが好き、AIに興味がある、です。入口としては健全ですが、そのままでは志望理由になりません。分水嶺は、消費する側から、仕組みの側への一歩を踏み出しているかです。

入口仕組み側への一歩の例
ゲームが好き簡単なゲームを作ってみた/ゲームAIの仕組みを調べた/なぜこのゲームは面白いのかを構造で分析した
AIに興味がある機械学習の入門講座を試した/生成AIの出力の癖を実験して記録した/AIの社会課題(誤情報・著作権)を調べて意見をまとめた
ものづくりが好き電子工作やロボコン系の活動/3Dプリンタ・CADで何か作った/身近な不便を解決する道具を試作した
数学・物理が好き面白いと思った定理・現象を掘り下げて資料にまとめた/数学系コンテストや科学系の発表会に挑戦した

今この一歩がまだの人は、今日から踏み出せば間に合います。無料の学習環境も入門教材も、この分野は世界一充実しています。1か月あれば、語れる小さな成果物は作れます。

指導現場の視点
情報系志望の生徒とよく話すのは、作品の大きさではなく、なぜそれを作ったのかの物語を大事にしよう、ということです。技術的にすごいものを作った受験生より、部活の面倒な集計作業にうんざりして自動化ツールを作った、という受験生の方が、面接では強い。前者は技術の話しかできませんが、後者は課題の発見から解決までの一連を、自分の言葉で語れるからです。大学が採りたいのは、コードが書ける人ではなく、問題を見つけて解決に向かえる人。作品選びと語りの軸は、そこに合わせてください。

避けて通れない、学力の裏付け

理工系の総合型選抜で、文系と大きく違う点がここです。入学後の学びは数学・物理(情報系なら数学)に強く支えられるため、大学側は基礎学力を慎重に確認します。口頭試問で数学の問題を課す、共通テストを課す、評定で理数科目を見る、独自の筆記を行うなど、形は様々ですが、何らかの形で理数の力を測る大学が多いのが実情です。

つまりこの分野では、書類・面接の準備と、理数の学習は最初から両輪です。総合型選抜だから勉強は後回し、という設計は、この分野では特に成立しません。志望校の選考内容(口頭試問の有無、共通テストの要否)を最初に確認して、学習計画に組み込んでください(国公立の記事両立の記事参照)。

言語化が苦手な人の、現実的な書類戦略

作るのは得意だが、書くのは苦手。この分野に多い悩みです。朗報は、理工系の書類に、文学的な文章力は要らないことです。求められているのは、技術文書と同じ、順序立った明快さです。

1
構造をテンプレにする
課題(何に困った/何が気になった)→仮説・方針→やったこと→結果→分かったこと・次の課題。実験レポートの構造で、志望理由の核は書けます。美文を目指さず、この順番を守るだけで読める文章になります。
2
専門用語の高度を調整する
読み手は必ずしも自分の専門分野の人ではありません。中学生に説明するならどう言うか、を一度考えて、専門用語には一言の説明を添える。この配慮自体が、伝える力の証明になります。
3
口頭で話して、録音から書く
書けないけど話せる人は多い。作ったものについて誰かに説明する自分を録音し、それを文字にしてから整える。白紙に向かうより、ずっと速く書けます。
指導現場の視点
理工系の書類でもったいないのは、技術の説明に字数を使い切って、自分が消えている書類です。何を使って何を作ったかは詳しいのに、なぜ作ろうと思ったのか、途中で何に悩み、どう判断したのかが書かれていない。読み手が知りたいのは仕様書ではなく、あなたの思考です。技術の説明は最小限に、判断と試行錯誤に字数を割く。探究の書き方(探究の記事)とまったく同じ配分です。

まとめ

情報・理工系の総合型選抜は、小さくても手を動かした証明を作り、理数の学力を両輪で固め、実験レポートの構造で言語化する分野です。書類全体の設計は志望理由書の記事、選抜の全体像は基礎の記事で確認してください。

代表講師 川崎
灯志舎 代表講師
川崎

総合型選抜の個別指導に携わりながら、将来のありたい姿から逆算する「ライフ・ナビゲーション」を軸に指導しています。

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