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心理系の総合型選抜対策|人の心に興味がある、を学問への関心に変える

人の心に興味がある、悩んでいる人の力になりたい、カウンセラーになりたい。心理学部の志望動機として最も多い入口です。同時に、この分野は入学後のここが想像と違ったが起きやすい学部でもあります。心理学は、共感の学問である前に、データと実験の科学だからです。この記事では、イメージと実像のギャップを先に埋めて、志望理由を学問への関心に育てる方法を解説します。

この記事の要点
  • 心理学は、統計とデータで人の心と行動を科学する学問。共感の技術だけを学ぶ場ではない
  • カウンセラー志望なら、公認心理師等の資格には大学院進学が前提になる道であることを知っておく
  • 日常の、人はなぜこう行動するのか、という観察と問いが、この分野の一番の素材になる

最初に知っておきたい、心理学の実像

心理学部の総合型選抜で、面接官が静かに確かめていることがあります。この受験生は、心理学が科学であることを知っているか、です。

世間の心理学のイメージは、カウンセリング、性格診断、人の気持ちを読む技術、に寄りがちです。実際の心理学は、実験と調査でデータを集め、統計で分析して、人の心と行動の法則を探る学問です。カリキュラムには統計法や実験実習が必修として組み込まれ、数学的な処理から逃げられません。このギャップを知らずに入学すると、思っていたのと違う、が起きます。だから大学側は、選考の段階で実像への理解を確かめたいのです。

裏を返せば、志望理由や面接の中で、心理学が実証の学問であることを踏まえた語り(◯◯という現象を、データで確かめてみたい、など)ができるだけで、リサーチの深さが一段伝わります。

カウンセラー志望なら、資格までの道を知っておく

スクールカウンセラーや心の専門職を志望する場合、知っておくべき現実があります。国家資格である公認心理師や、臨床心理士の資格を目指す道は、学部卒だけでは完結せず、大学院進学が前提になるルートが基本だということです(要件の詳細は年度・制度で変わり得るので、志望段階で必ず最新情報を確認してください)。

これは脅しではなく、志望理由の精度の話です。カウンセラーになりたいので4年間で技術を学びたい、という書類は、制度の理解不足を露呈します。逆に、学部では心理学の基礎と研究法を固め、大学院で臨床を専門的に、という見取り図を持った書類は、職業理解の証明になります。長い道であることを知った上でなお志す。その構造は、医療系の記事で書いた、厳しさを語れることが本気度の証明になる、とまったく同じです。

指導現場の視点
心理系志望の生徒との面談で、志望動機を掘っていくと、自分自身や身近な人の悩みの経験に行き着くことがよくあります。その経験自体は、動機として誠実なものです。ただ、書類にする際は距離感に注意が必要です。自分の悩みの解決を大学に求めるような書き方は、学びの主体としての立ち位置を曖昧にします。経験は出発点として簡潔に書き、そこから生まれた、人の心はなぜこう動くのかという知的な問いに、重心を移す。個人的経験を、普遍的な問いに引き上げる。この転換ができた書類は、心理系で強い書類になります。

志望理由の作り方。日常の観察を問いに変える

心理学のありがたい点は、素材が日常のすべてにあることです。人の行動への、なぜ?を集めてください。

なぜ、テスト前になると部屋の掃除を始めてしまうのか?
なぜ、行列ができている店に、さらに人が並ぶのか?
なぜ、SNSの通知が来ると、作業を中断してでも見てしまうのか?
なぜ、同じ注意でも、言う人によって素直に聞けたり反発したりするのか?

この種の問いを一つ選び、関連する心理学の概念を入門書で調べ、可能なら身の回りで小さく観察・アンケートしてみる。そこまで動けば、それは立派な探究であり(探究の記事参照)、志望理由書の核になります。心理学の入門書・新書を2〜3冊読んでおくことは、この分野では小論文対策を兼ねた最低限の仕込みです。

小論文・面接の傾向

心理系の小論文は、人間関係とコミュニケーション、SNSと心の健康、ストレス社会、発達と教育、偏見・ステレオタイプなどが頻出領域です。課題文型が多く、心理学的な実験や調査の紹介文を読ませて考えを問う形式も見られます。データの読み取りに慣れておくと有利です(テーマの記事参照)。

面接では、なぜ心理学部なのか(人に関わる学部は他にもある中で)、心理学で何を明らかにしたいのか、が定番の深掘りです。ここで、教育でも福祉でもなく心理学である理由、つまり、心の仕組みそのものを知りたいという知的関心を自分の言葉で語れると、軸が通ります。

指導現場の視点
心理系は、人の気持ちが分かる人になりたい、という優しい動機の受験生が多い分野です。その優しさは尊いのですが、書類では一段の注意を。分かる、という言葉は、心理学の世界では簡単に使えない言葉です。人の心は分からない。分からないからこそ、データと方法論で慎重に近づく。この学問の謙虚さに共鳴できているかどうかが、書類の言葉づかいの端々に出ます。断定を避け、確かめたい・近づきたいという動詞で書く。細かいことですが、読み手には届く差です。

まとめ

心理系の総合型選抜は、学問の実像(科学であること)を踏まえ、資格までの道を理解し、日常の観察を知的な問いに変える分野です。書類の設計は志望理由書の記事、選抜の全体像は基礎の記事で確認してください。

代表講師 川崎
灯志舎 代表講師
川崎

総合型選抜の個別指導に携わりながら、将来のありたい姿から逆算する「ライフ・ナビゲーション」を軸に指導しています。

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