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看護・医療系の総合型選抜対策|人を助けたい、の先を語る

看護・医療系は、総合型選抜や学校推薦型選抜の活用が特に盛んな分野です。同時に、志望動機が似通いやすい分野でもあります。人を助けたい、身内の入院がきっかけ。それ自体は尊い動機ですが、出願者の多くが同じ入口から書き始めます。この記事では、看護・医療系の選抜で問われていることと、ありふれた動機を自分だけの志望理由に深める方法を解説します。

この記事の要点
  • 看護・医療系で問われるのは、熱意の量より、職業理解の解像度と適性の自己認識
  • 人を助けたい、は入口であって志望理由ではない。なぜ医療で、なぜその職種で、を掘る
  • 小論文は医療倫理・高齢化・チーム医療が頻出。面接では厳しさの理解を確かめられる

この分野の選抜が、他と少し違う理由

看護・医療系の総合型選抜には、他の学部系統にない特徴があります。それは、大学の先に国家資格と職業がほぼ直結していることです。大学は、4年後に医療現場に立つ人を選んでいる。だから評価の焦点は、学問への関心に加えて、職業への理解と適性に置かれます。

具体的には、次の3つが繰り返し確かめられます。医療職の現実(夜勤、責任の重さ、人の死に向き合うこと)を理解した上で志望しているか。他者と協働できるか(医療はチームで動く)。そして、困難な状況でも学び続けられるか(進級・国家試験・生涯学習)。熱意の量ではなく、理解の解像度が見られていると考えてください。

人を助けたい、をどう深めるか

身内の入院や、自身の通院経験から医療職に憧れた。この原体験は本物で、否定する必要はまったくありません。問題は、そこで筆が止まることです。掘り下げには、次の3つの問いを使ってください。

1
なぜ、医療なのか
人を助ける仕事は、教育にも福祉にも行政にもあります。その中でなぜ医療なのか。あなたが心を動かされたのは、医療者の技術か、寄り添い方か、判断の速さか。原体験の場面を思い出して、自分が何に反応したのかを特定します。
2
なぜ、その職種なのか
医師・看護師・理学療法士・臨床検査技師。医療の中の役割分担を調べ、自分が担いたいのはどの位置なのかを言葉にします。看護師志望なら、医師ではなく看護師である理由(患者の生活に一番近い専門職である、など)まで踏み込めると、職業理解の証明になります。
3
憧れの先の、現実を調べたか
職業の光の部分だけでなく、大変さも含めて調べ、それでも志すという構造を作ります。オープンキャンパスでの在学生・教員への質問(歩き方の記事参照)や、医療者の書いた本は、その材料になります。
指導現場の視点
医療系の面接では、看護師の仕事で大変だと思うことは何ですか、といった、憧れの逆側を問う質問がよく出ます。これは意地悪ではなく、現実を知らないまま入学して現場で折れてしまう学生を、大学側が本気で心配しているからです。だから対策としては、大変さを語れることが、そのまま本気度の証明になります。きれいな志望動機を磨くより、この仕事の厳しさをどれだけ具体的に知っているかを増やす方が、この分野では効きます。

小論文の傾向。頻出は3領域

領域出題の方向性
医療倫理・命終末期医療、告知、医療資源の配分など、正解のない問いに自分の考えを筋道立てて示せるか
高齢化とケア超高齢社会での医療・介護、地域包括ケア、家族の負担。社会構造と医療の接点
チーム医療・コミュニケーション多職種連携、患者との関わり、信頼関係。協働の姿勢を文章から見る出題

いずれも、知識の披露ではなく、患者・家族・医療者それぞれの立場を想像した上で自分の立場を述べられるかが分かれ目です。書き方の基本は小論文の記事、テーマの構造は頻出テーマの記事を土台に、医療系の新書やニュースで具体例の在庫を作ってください。

向いている活動・実績

  • 医療・福祉に接点のある活動 病院や高齢者施設でのボランティア、地域の健康イベントの手伝いなど。規模より、そこで何を観察し考えたかが本体です
  • 探究テーマを医療・健康に寄せる 学校の探究(探究の記事参照)で、地域医療や健康をテーマにできれば、志望との一本線が作りやすくなります
  • ケアの経験の言語化 特別な活動がなくても、家族の看病・介護の手伝い、部活でのけが人への対応など、ケアに触れた日常の経験は、掘れば十分な素材になります
評定・出欠は、この分野では特に丁寧に見られる傾向があります。医療系の学びは進級要件が厳しく、大学は学び切れる人かを慎重に見るからです。基準の有無を含め、必ず募集要項で確認してください(評定の記事参照)。
指導現場の視点
医療系志望の書類で、最後に必ず確認するのは、患者という言葉の使われ方です。助けてあげたい、治してあげたい、という上からの視線が無自覚に出ている書類は、医療の読み手には引っかかります。患者を、助けられる対象ではなく、共に治療に向かう相手として書けているか。この一点の視線の高さが、職業理解の深さをいちばん正直に映します。書き上げたら、自分の書類の中の患者の描かれ方を、一度読み返してみてください。

まとめ

看護・医療系の総合型選抜は、熱意の弁論大会ではなく、職業理解と適性の確認の場です。人を助けたいの先を3つの問いで掘り、厳しさを含めた現実を調べ、日常のケア経験を言語化する。全体の選抜の仕組みは基礎の記事で確認してください。

代表講師 川崎
灯志舎 代表講師
川崎

総合型選抜の個別指導に携わりながら、将来のありたい姿から逆算する「ライフ・ナビゲーション」を軸に指導しています。

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