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法学・政治系の総合型選抜対策|正義感を、論理に鍛える

法学部・政治系の志望動機には、ある共通の入口があります。世の中の理不尽への憤り、困っている人を法で守りたいという正義感です。尊い動機ですが、この分野の選考で見られるのは、正義感の強さではありません。感情を一度離れて、対立する立場の言い分を汲み、ルールの視点で考えられるか。この記事では、正義感を論理に鍛える方法と、選考の傾向を解説します。

この記事の要点
  • 法・政治系で問われるのは、正義感の量ではなく、対立する利害を複眼で考える姿勢
  • 弁護士・法曹志望なら、法科大学院や司法試験まで続く長い道の理解が職業理解の証明になる
  • 日々のニュースを、賛否ではなく、誰と誰のどんな利害の対立か、で見る習慣が最良の対策

この分野が見ている、思考の型

法学や政治学が扱うのは、突き詰めれば利害と価値観の対立です。加害者の更生と被害者の感情。表現の自由と名誉の保護。開発と環境。どちらかが一方的に正しい問題は、この学問の主戦場にはほとんどありません。

だから選考で見られるのは、自分の正義を主張する力ではなく、対立するそれぞれの言い分を正確に理解した上で、自分の考えを筋道立てて述べる力です。悪い奴を罰したい、という書類と、なぜその行為が起きる構造があるのか、ルールはどうあるべきかを考えたい、という書類。読み手が学びの適性を感じるのは後者です。

正義感を、志望理由に鍛える3ステップ

1
憤りの対象を、特定する
社会の理不尽、では広すぎます。あなたが実際に心を動かされたのは、どのニュースの、どの当事者の、どんな状況だったのか。原体験のレベルまで特定します。
2
反対側の言い分を、調べる
その問題で、自分と逆の立場の人は何を主張しているのか。判決文の要旨、国会での反対意見、当事者インタビュー。反対側を調べた形跡は、この分野の書類で最も強いリサーチの証明になります。
3
感情の問いを、制度の問いに変換する
ひどい、をなぜ防げなかったのか、どんなルールなら防げるのか、そのルールの副作用は何か、に変換します。この変換ができた瞬間、あなたの憤りは法学・政治学の問いになります。
指導現場の視点
法学部志望の面接練習で、わざと本人の主張の逆側に立って反論をぶつけることがあります。ここで感情的になって主張を繰り返す生徒と、いい質問ですね、その立場だと確かに、と一度受け止めてから答え直す生徒に分かれます。評価されるのは後者ですが、これは性格ではなく訓練です。自分の意見に対する最強の反論を、自分で考えておく。この習慣がある人は、面接でも小論文でも崩れません。

法曹志望なら、道の長さを知っておく

弁護士・検察官・裁判官を目指す場合、学部卒業だけでは到達できません。法科大学院を経る、または予備試験に合格して、司法試験に挑む。合格後も司法修習が続く、長い道のりです(制度の詳細は変わり得るので、最新情報を確認してください)。

これを書類・面接でどう扱うか。心理系の記事医療系の記事と同じ構造で、道の長さを知った上でなお志す、という組み立てが職業理解の証明になります。また、法学部の進路は法曹だけではありません。公務員、企業法務、一般企業。法的な考え方(リーガルマインド)はどの進路でも武器になる、という学部の実像を知った上で、自分の現時点の方向性を語れれば十分です。将来を断定できないことは、この分野では正直さとして受け取られます。

ニュースの見方を変える。最良の日常対策

法・政治系の時事対策として、ニュースを見なさい、とよく言われます。ただ、見るだけでは対策になりません。見方を変えてください。

普通の見方法・政治系の見方
この政策に賛成か反対か誰と誰の、どんな利害・価値の対立か。それぞれの言い分の根拠は何か
ひどい事件だなぜ既存のルールで防げなかったのか。防ぐルールを作るとしたら、何とぶつかるか
この判決はおかしい裁判所は何を根拠にその結論を出したのか。感情と法理のズレはどこで生まれているか

週に1つ、気になったニュースをこの見方で3行メモにする。数か月で、小論文の具体例、面接の時事質問、志望理由の解像度、すべての土台ができます。

小論文・面接の傾向

小論文の頻出は、人権と公共の福祉、表現の自由とSNS、少年法・刑罰のあり方、選挙と若者の政治参加、地方自治、国際関係など。頻出テーマの記事の4つの根で言えば、格差・多様性と技術の根に、統治・ルールの視点が掛け合わされる形です。課題文型が多く、対立する2つの主張を読ませて考えを問う形式が典型です。

答案・面接ともに、分かれ目は同じです。結論の内容ではなく、反対側の言い分をどれだけ誠実に扱った上で結論に至ったか。一方の正義で走り切った答案は、この分野では最も評価されにくい型だと心得てください。

指導現場の視点
法・政治系の志望理由で、最後に確認するポイントがあります。社会を変えたい、と書く生徒は多いのですが、変えるの手段がこの学部である必然性が書けているかです。社会を変える道は、起業にもメディアにも教育にもある。その中でなぜ、ルールと制度の側から関わりたいのか。ここに自分の言葉があると、志望の一本線が学部まで届きます。逆にここが空白だと、熱意はあるのに学部が交換可能な書類になります。

まとめ

法学・政治系の総合型選抜は、憤りを制度の問いに変換し、反対側の言い分を調べ、複眼で語る分野です。書類の設計は志望理由書の記事、選抜の全体像は基礎の記事で確認してください。

代表講師 川崎
灯志舎 代表講師
川崎

総合型選抜の個別指導に携わりながら、将来のありたい姿から逆算する「ライフ・ナビゲーション」を軸に指導しています。

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