制度・基礎知識
評定の上げ方|定期テスト・提出物・授業態度、今日からできる実務
評定の計算方法(別記事)を知って、現在地を把握した。次の問いは、どう上げるかです。評定は、模試の偏差値と違って、才能や地頭より実務で動く数字です。定期テストの準備、提出物、授業への参加、そして見落とされがちな副教科。この記事では、評定を上げるための具体的な実務を、学年別の残り時間とあわせて解説します。
この記事の要点
- 評定は全科目・全学期の平均。苦手科目の3を4にする方が、得意の4を5にするより動きやすい
- 定期テストは範囲が決まった試験。2週間前からの計画で、実力以上の点が取れる設計になっている
- 提出物と授業態度は観点別評価に直結する。テストの点だけで評定は決まらない
評定が決まる仕組みを、逆手に取る
評定は、定期テストの点数に加えて、観点別評価(知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度)をもとに付けられます。つまり、テストの点+提出物+授業への取り組みの総合点です。この仕組みは、テスト一発型の生徒には不利に、日常を積める生徒には有利に働きます。評定を上げたいなら、テスト対策と日常運用の両方に手を打つのが正攻法です。
もう一つ、構造上の重要な事実。評定平均は全科目の平均です(計算方法の記事)。数学の4を5に上げる難易度と、苦手な古典や副教科の3を4に上げる難易度を比べると、多くの場合、後者の方が低い。平均を上げる最短路は、得意を伸ばすことではなく、穴を埋めることです。まず全科目の成績表を眺めて、一番低い科目から手を付けてください。
定期テスト。範囲のある試験は、計画で勝てる
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2週間前:範囲の把握と計画
試験範囲と提出課題を一覧化し、科目ごとに日割りの計画を。ポイントは、苦手科目を計画の前半に置くこと。後半に置いた苦手は、時間切れで必ず削られます。2
1週間前:課題を終わらせ、演習へ
提出課題(ワーク等)はこの時点で完了させ、残り1週間は問題演習と暗記に充てる。課題を試験前夜にやる状態は、提出物と試験勉強の両方を損なう最悪の配分です。3
直前:授業ノートと先生の強調点
定期テストの出題者は、授業をした先生本人です。授業中に、ここは大事、と言われた箇所、板書で囲まれた箇所は、最も費用対効果の高い試験範囲。日頃の授業でその印をノートに残しておくことが、直前期の武器になります。指導現場の視点
評定の相談で成績表を見せてもらうと、多くの生徒に共通の癖があります。主要教科は頑張るのに、副教科(保健体育、家庭、芸術、情報など)を捨てていることです。もったいない。評定平均の計算上、副教科の1点は数学の1点と同じ重さです。しかも副教科は、提出物と授業参加の比重が大きく、テスト勉強の負荷が比較的軽いことが多い。つまり、努力対効果が一番高い科目群です。評定を上げたいなら、まず副教科の提出物を完璧にする。地味ですが、これが一番速い。
提出物と授業態度。観点別評価の実務
- 提出物は、期限と質の両方 期限遅れは内容以前の減点。質は、答えを写すだけでなく、間違えた問題への一言メモなど、取り組みの跡を残す。観点別評価の主体的に学習に取り組む態度は、この跡で判断されます
- 授業中の小さな参加を積む 挙手や発言が苦手なら、リアクションペーパーや振り返りシートを丁寧に書く、質問を授業後に一つする、でも十分です。参加の形は一つではありません
- ワーク・小テストを軽視しない 単元ごとの小テストは、一回一回は小さくても、観点別評価の材料として積み重なります
学年別。残り時間でできること
| 学年 | できること |
|---|---|
| 高1 | 全学期が計算対象。今日からの積み上げがすべて効く、一番有利な時期。苦手科目を作らない・放置しないことが最大の戦略(高1高2の記事) |
| 高2 | まだ半分以上が未確定。1・2学期の遅れは、ここからの2年分で十分に押し返せる。定期テストごとの計画運用を習慣化する |
| 高3 | 使えるのは1学期(前期)まで。最後の定期テストが、評定を動かせる最終機会。ここに全力を注ぎつつ、確定後は評定基準のない大学を含めた戦略(評定に不安がある場合の記事)へ |
指導現場の視点
評定を上げる話の最後に、動機の話を。評定のための勉強、と思うと苦役ですが、評定は結局、授業という毎日6時間の時間を、どれだけ自分の栄養に変えたかの記録です。授業を、受けさせられる時間から、使い倒す時間へ。この視点の転換ができた生徒は、評定が上がるだけでなく、探究のテーマや志望分野の種(進路の記事)まで授業の中から拾ってきます。評定対策の最終形は、テクニックではなく、授業との付き合い方の変化です。
まとめ
評定は、穴埋め優先・2週間前からの計画・提出物と参加の積み上げ、という実務で動きます。現在地の計算は計算の記事、評定が届かない場合の戦略は評定不安の記事、総合型選抜の全体像は基礎の記事で確認してください。