通信制高校・不登校経験からの総合型選抜|遠回りは不利じゃない
通信制高校に通っている、あるいは不登校の期間があった。その経歴で大学受験、特に総合型選抜に挑めるのか。不安に思っている人に、最初に伝えたいことがあります。総合型選抜は、経歴の綺麗さを競う入試ではありません。今どこを向いて、何をしているかを見る入試です。この記事では、制度上の事実と、経験の語り方、そして通信制という環境の活かし方を書きます。
- 総合型選抜の出願資格は、多くの場合、高校卒業見込みであれば課程を問わない。通信制からの出願は制度上可能
- 不登校や転校の経験は、隠すものではなく、そこからの動きとセットで語れば素材になる
- 通信制の時間の自由度は、探究・活動・検定に使えば、全日制にない強みになる
制度の話から。通信制からの総合型選抜は、普通にできる
まず事実の確認です。総合型選抜の出願資格は、多くの大学で高等学校卒業見込みの者などと定められており、全日制・定時制・通信制という課程の区別は、原則として問われません。通信制高校からの総合型選抜への挑戦は、制度上、特別なことではないのです。
評定や調査書も、通信制高校で発行されます。レポート・スクーリング・テストで積み上げた成績が評定になり、それをもとに調査書が作られる。仕組みは全日制と同じです。ただし、評定の付き方や科目構成は学校ごとに特色があるので、評定基準のある方式に出願する場合は、自分の学校の評定がどう算出されるかを先生に確認してください。個別の出願要件は、必ず志望校の募集要項で確認を。
不登校・転校の経験を、書類でどう扱うか
一番の不安はここだと思います。空白の期間や転校歴は、マイナスに見られるのではないか。結論から言うと、経験そのものより、その経験をどう language にするかで印象は決まります。
避けたいのは2つの極端です。一つは、隠して不自然な空白を残すこと。調査書には記録が残るので、触れないままだと読み手に憶測の余地を渡します。もう一つは、過剰に悲劇として語ること。同情を誘う書類は、あなたの前向きな部分まで曇らせます。
推奨する型は、事実 → 転機 → 現在の行動、の順で淡々と書くことです。学校に通えない時期があった(事実)。その中で◯◎に出会い、考えが変わった(転機)。今は△△に取り組んでいる(現在)。文字数の配分は、過去1に対して現在と未来に9。読み手が知りたいのは、何があったかより、今のあなたがどこを向いているかです。
通信制の時間の自由は、設計すれば強みになる
通信制高校の大きな特徴は、可処分時間の多さです。全日制の生徒が授業と部活で埋まっている時間を、通信制の生徒は自分で設計できます。この自由は、放置すればただの空白になり、設計すれば全日制にない強みになります。
面接で聞かれたら、どう答えるか
面接で通信制を選んだ理由や、通えなかった時期について聞かれる可能性はあります。これは意地悪ではなく、書類に書かれた事実の確認です。書類と同じ、事実 → 転機 → 現在の型で、短く、淡々と答えられるように準備しておけば十分です。取り繕う必要も、謝る必要もありません。あなたの現在の行動が具体的であるほど、過去の質問は短く終わります(面接の記事参照)。
まとめ
通信制・不登校経験からの総合型選抜は、制度上可能で、経験は語り方次第で素材になり、時間の自由は設計次第で強みになる。総合型選抜という制度の全体像は基礎の記事で、将来の方向がまだ見えない場合は進路の考え方の記事から始めてみてください。