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総合型選抜の出願校の組み方|挑戦・実力相応・安全をどう配分するか

総合型選抜の出願校を、どう組むか。1校に全力を注ぐのか、複数に出すのか。一般入試の併願の考え方をそのまま持ち込むと、この入試では失敗します。書類も面接も大学ごとの作り込みが要るため、出願数を増やすほど1校あたりの完成度が下がるからです。この記事では、総合型選抜ならではの出願校の組み方を解説します。

この記事の要点
  • 総合型選抜の出願数は、準備の総量との割り算で決まる。多く出すほど1校の質は下がる
  • 軸は志望度と適合度。倍率や入りやすさで安全校を選ぶ発想は、この入試では機能しにくい
  • 方式・日程・専願条件の組み合わせで、時系列の作戦図を作ってから決める

一般入試の併願と、決定的に違う点

一般入試の併願は、同じ学力で複数の答案を書く仕組みです。過去問対策の違いはあれど、模試の偏差値という共通のものさしで、挑戦・実力相応・安全を組めます。総合型選抜は違います。第一に、共通のものさしがない。評価は各大学のアドミッションポリシーとの適合(ポリシーの記事)で決まり、倍率の記事で書いた通り、倍率の低さはあなたの受かりやすさを意味しません。第二に、出願コストが重い。1校ごとに、リサーチ・書類・面接対策の作り込みが必要です。

この2点から導かれる原則はこうです。出願数は、志望度の高い順に、準備の総量が許す数まで。目安として、書類を練り込める限界は、多くの受験生で2〜3校です。5校10校と出す戦略は、全部の書類が浅くなる、この入試で最も避けたい配分です。

組み方の3つの軸

1
志望度と適合度で選ぶ
行きたい大学であること、そして自分の経験・志望とアドミッションポリシーの重なりが大きいこと。この2つが揃う大学が、あなたにとっての出願校です。入りやすそうだからという理由の安全校は、志望理由が書けず、書けても面接で見抜かれ、仮に受かっても進学の意思決定で苦しみます(志望校の決め方の記事)。
2
専願条件と日程で並べる
専願か併願可か(専願・併願の記事)、エントリー・出願・選考・発表の日程(エントリーの記事)。特に、A校の発表前にB校の出願締切が来る、という時系列の交錯は要注意です。カレンダーに全校の日程を並べた作戦図を作ってから、組み合わせの実現可能性を確認してください。
3
総合型の後ろに、別方式の受け皿を置く
出願校の組み方は、総合型選抜の中だけで完結しません。公募推薦(方式の違いの記事)、後続日程の総合型、そして一般選抜(不合格後の記事)。時系列の後ろに受け皿があるほど、前の挑戦は思い切ってできます。
指導現場の視点
出願校の相談で必ず描いてもらうのが、9月から3月までの横長の時間軸に、候補校の全日程と一般入試を書き込んだ一枚の図です。この図を描くと、無理な組み合わせ(選考日の重複、専願条件との矛盾)が一目で見え、同時に、思ったより挑戦の機会が多いことも見えます。総合型1回で終わりではなく、秋から冬にかけて複数の扉が順に開く。この全体図を持っている受験生は、一つの結果に心を折られません。作戦図は、戦略の道具であると同時に、メンタルの防具です。

書類の使い回しは、どこまで許されるか

複数校に出す場合の実務です。自己分析・原体験・将来像は、あなた自身のものなので全校共通で使えます。作り直すのは、③その大学でなければならない理由と、④学修計画、そして設問への対応です。字数別の記事で書いた、フル版の母艦を一つ作って各校版を抽出する方法が、ここでも効きます。

絶対にやってはいけないのは、大学名の置換だけで済ませることです。他大学の名前の消し忘れは、毎年本当に起きる事故で、起きた瞬間に書類は終わります。各校版の最終チェックでは、大学名・学部名・固有名詞(教授名・プログラム名)を指差し確認してください(チェックリストの記事)。

1校集中は、ありか

本命1校だけに出す戦略は、ありです。条件が2つあります。第一に、一般選抜の学習を土台として維持していること。第二に、不合格時の動き(後続日程・公募・一般)を事前に決めてあること。この2つが揃っているなら、1校集中は、書類の質を最大化する合理的な選択です。逆に、退路を用意せず1校に全部を賭ける組み方は、戦略ではなく祈りです。挑戦の熱と、設計の冷静さは両立します。むしろ両立させることが、この入試の作法です。

指導現場の視点
組み方に正解はありませんが、後悔が残りやすいパターンは決まっています。志望度の低い大学に、志望度の高い大学と同じ時間を使ってしまうことです。書類の準備は有限の資源。配分は志望度に比例させる。第2志望の書類が第1志望より良く書けている、という倒錯に気づいたら、時間の再配分のサインです。全部に全力、は美しく聞こえますが、実際には全部が8割になる配分です。

まとめ

出願校は、志望度と適合度で選び、日程と専願条件で並べ、準備の総量で数を決める。2〜3校の練り込みを基本に、後ろの受け皿まで含めた作戦図を描く。総合型選抜の全体像は基礎の記事で確認してください。

代表講師 川崎
灯志舎 代表講師
川崎

総合型選抜の個別指導に携わりながら、将来のありたい姿から逆算する「ライフ・ナビゲーション」を軸に指導しています。

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