出願準備
総合型選抜、出願してから選考本番までの過ごし方|秋を無駄にしない
出願書類を提出した瞬間、大きな達成感とともに、ぽっかりと空白がやってきます。選考本番までの数週間、何をすればいいのか。この期間の過ごし方は、夏の書類づくりほど語られませんが、合否への影響は決して小さくありません。この記事では、出願後から面接・小論文本番までの優先順位と、待つ時間との付き合い方を解説します。
この記事の要点
- 最初にやるのは、提出した書類の控えの読み込み。面接は書類の続きとして行われる
- 選考対策の優先順位は、志望校の選考形式で決まる。過去の形式の確認から逆算する
- 選考期間中も一般入試の学習を止めない。学習の継続が、結果待ちの不安への一番の薬になる
提出の翌日にやること。書類の控えを、面接官の目で読む
出願を終えたら、まず書類の記事で書いた通り、手元に残した控えを開いてください。面接は、あなたの書類を読んだ面接官との対話です。つまり、提出した書類は、本番の質問リストの原案。ここから面接準備が始まります。
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自分の書類に、質問を書き込む
面接官になったつもりで、書類の各段落に、ここを聞きたい、という質問を書き込みます。具体的には?なぜ?他には?の3種類で掘れば、質問はいくらでも出てきます。2
答えられない箇所を、潰す
書き込んだ質問のうち、答えに詰まる場所が、あなたの弱点です。経験の記憶を掘り直す、大学リサーチを補強する、関連する本や資料を読む。本番までの数週間は、この穴埋めに使います(面接の記事の3つの軸に立ち返ってください)。3
模擬面接を、日程から逆算して置く
本番の1〜2週間前に1回、数日前に1回。学校の先生や指導者との模擬面接(先生への頼り方の記事参照)を、今のうちに予約しておきます。直前に頼むと、先生の予定が埋まっています。選考形式ごとの、残り期間の配分
| 課される選考 | 残り期間にやること |
|---|---|
| 面接 | 書類の深掘り対策(上記)+緊張対策+逆質問の準備。時事を志望分野の視点で追う習慣も継続 |
| 小論文 | 過去問の形式(課題文型/資料型)に合わせ、時間を計った演習と添削の往復を週1〜2本。書き方とテーマの記事を土台に |
| プレゼン・GD・口頭試問 | プレゼン・GDの記事の要領で通し練習。口頭試問がある場合は、志望分野の基礎知識(教科内容)の総ざらい |
二段階選考(一次:書類、二次:面接等)の大学では、一次の結果を待ってから二次対策を始める人がいますが、それでは間に合わないことがあります。一次の結果にかかわらず、二次の準備は出願直後から始めてください。通過してから慌てるより、通過を前提に準備して待つ方が、精神衛生上もずっと健全です。
一般入試との並走を、やめない
この時期、繰り返し伝えてきた原則が最大の効果を持ちます。選考期間中も、一般入試の学習を止めない(両立の記事、夏の記事参照)。理由は二つあります。
第一に、実利。不合格だった場合、発表から共通テストまでの時間は限られています。この秋の学習の継続が、切り替えの成否をほぼ決めます。第二に、心理。結果を待つだけの時間は、不安が膨らむ一方です。手を動かして進んでいる実感、どの結果でも自分には次があるという事実。学習の継続は、待つ時間の一番の精神安定剤でもあります。
指導現場の視点
出願後の生徒を見ていて、調子を崩すパターンは決まっています。合否のことを考える時間が、行動する時間を上回ったときです。対策は根性ではなく、時間割です。午前は受験勉強、午後は面接準備、夜は自由、のように枠を決めて、考える暇を構造的に減らす。夏の記事で書いた、自分で時間割を発行する、という原則は、実はこの待つ秋にこそ一番効きます。不安は消せませんが、不安が座る椅子を減らすことはできます。
本番の直前と当日。最後の確認
- 持ち物と経路は前日までに 受験票、書類の控え、会場までの経路と所要時間(オンラインの場合は機材と環境の確認)。当日の朝に調べ物をしない状態を作ります
- 新しいことは、直前にやらない 前日に新しい想定問答を増やす、当日に書類を読み返して不安になる。直前の追加は、たいてい混乱しか生みません。前日は軸の確認と早めの睡眠だけ
- 終わったら、記録して切り替える 聞かれた質問と自分の答えを、記憶が新しいうちにメモします。複数校を受ける場合、この記録が次の本番の教材になります。そして結果を待つモードに入らず、翌日から時間割を再開してください
指導現場の視点
最後に、この時期の生徒全員に伝えていることを。選考本番であなたがやることは、新しい自分を演じることではなく、この数か月考えてきたことを、そのまま話すことだけです。書類を書き、直し、掘り下げてきた時間は、消えません。緊張しても、多少言葉に詰まっても、積み上げた思考は面接官に届きます。当日の朝、特別なことは何も要りません。いつも通りの自分を、会場まで運ぶこと。それが最後の仕事です。
まとめ
出願後の秋は、書類の控えの読み込みから始め、選考形式に合わせて配分し、一般入試の学習で心の土台を保つ期間です。二次対策は結果を待たずに始め、直前は新しいことをしない。総合型選抜の全体の流れは基礎の記事で確認してください。ここまで来たあなたの準備が、本番でそのまま力になります。