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書類の書き方

複数校の志望理由書を並行して書く技術|使い回しと書き分けの境界線

出願校を2〜3校に決めた。次の現実は、志望理由書をその数だけ書く、という作業量です。全部ゼロから書くのは時間が足りない。かといって、コピペの使い回しは危険すぎる。この記事では、複数校の書類を並行して書くための、共通化と書き分けの境界線、管理の実務、そして面接まで見据えた一貫性の保ち方を解説します。

この記事の要点
  • 自分側の要素(原体験・強み・将来像)は共通、大学側の要素(固有の理由・学修計画)は各校専用
  • 一番長い字数の母艦版を先に作り、各校版はそこから抽出・調整する
  • 他校名の消し忘れは即死の事故。各校版の固有名詞は、提出前に指差し確認する

境界線。何を共通化し、何を書き分けるか

志望理由書の構成要素(書き方の記事)を、自分側と大学側に分けると、境界線が見えます。

要素扱い
原体験・問題意識(自分側)共通 あなたの過去は一つ。どの大学向けでも同じ事実を使う
将来像(自分側)ほぼ共通 目的地は同じ。ただし表現の重心は、各校の学びとの接続に合わせて微調整
その大学でなければならない理由(大学側)各校専用 カリキュラム・教員・プログラムの固有名詞で構成される部分。使い回し不可能な部分であり、ここの厚みが書類の評価を分ける(調べ方の記事)
学修計画(大学側)各校専用 実在の科目名で作る部分(学修計画の記事)。共通化の余地はほぼない
設問への対応各校専用 設問文の問い方が違えば、同じ素材でも組み替えが必要

要するに、過去は共通、接続先は専用。この原則を押さえれば、使い回しの罪悪感も、全部書き直す絶望も、どちらも不要になります。

母艦方式の実務

1
母艦版を、第一志望×最長字数で作る
字数別の記事で書いた通り、一番長い字数のフル版を最初に作ります。第一志望向けに全力で作ったこの母艦が、全校版の品質の天井を決めます。
2
各校版は、抽出+専用部分の差し替え
母艦から自分側の要素を抽出し、大学側の要素(固有の理由・学修計画)を各校のリサーチノート(調べ方の記事)から新規に書く。字数調整は字数別の記事の削る優先順位で。
3
ファイル管理を、事故防止の仕組みにする
ファイル名は大学名_書類名_版数で統一し、1大学1フォルダ。複数校の文面を同じ画面で編集しない(コピペ事故の温床)。提出済み版は、提出日を付けて凍結保存します(面接前の読み込みに使うため。出願後の記事)。
指導現場の視点
複数校の書類で毎年起きる事故が、他校名の消し忘れです。B大学向けの書類に、貴学の◯◯プログラム(A大学の名称)が残る。これは誤字ではなく、志望の本気度を疑わせる致命傷です。防止策は単純で、提出前に、その書類に登場する固有名詞(大学名・学部名・プログラム名・教授名)だけを、指で押さえながら音読すること。全文の読み直しでは目が滑るので、固有名詞だけの専用チェックを1周。3分で終わり、即死の事故を確実に防げます。

面接まで見据えた、一貫性の管理

複数校で微妙に違う書類を出すと、面接で混ざる不安が出てきます。対策は、ポリシーの記事で書いた原則に尽きます。大学ごとに別人格を作るのではなく、同じ人間の、違う面を前に出す。原体験・問題意識・将来像という軸(面接の記事)は全校共通なので、混ざっても矛盾は生じません。混ざると危険なのは、大学側の要素(この大学の◯◯に惹かれた)だけ。だから面接の直前に読み込むのは、その大学に出した提出版の、大学側の要素の部分です。

指導現場の視点
並行執筆には、隠れた効能もあります。B大学向けにその大学でなければならない理由を書こうとして、筆が全然進まない。この書きにくさは、多くの場合、B大学へのリサーチ不足か、志望度の低さの正直な信号です。複数校の書類を並べて書くと、自分の本音の志望順位が、筆の進み方に表れる。その気づきは、出願校の最終判断(組み方の記事)の材料として、素直に使ってください。

まとめ

過去は共通、接続先は専用。母艦版から抽出し、固有名詞の指差し確認で事故を防ぎ、軸の共通性で面接の一貫性を保つ。書き方の基本は志望理由書の記事、総合型選抜の全体像は基礎の記事で確認してください。

代表講師 川崎
灯志舎 代表講師
川崎

将来のありたい姿から逆算する独自メソッド「ライフ・ナビゲーション」を軸に、志望理由書から面接まで一貫して伴走しています。

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